今回紹介するのは「POPCOM」1989年11月号特集「美少女キャラ大図鑑」と、1989年BNNより出版された「RPG人名録」(まないたさんぞう著)にあらわれた、「イース」シリーズヒロインのプロフィールです。
エレナ=ストダート
会える場所 レドモントの街 |
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レア
会える場所 ミネアの町、ダームの塔、サルモンの神殿 |
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リリア
会える場所 ランスの村、サルモンの神殿 |
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フィーナ
会える場所 ゼピック村、サルモンの神殿 |
フィーナ女性/ふたご座/AB型
通称 双子の女神 |
フィーナがアドルに魔物の這回するサルモン神殿から救出された時、彼女の女神としての記憶はありませんでした。この時期が彼女にとっては一番幸せだったのかもしれません。女神として世界の平和を見守ることもなく、ただの少女としてアドルに出会い、ほのかな恋の花を咲かせることができたのですから。彼女はアドルが出会った女性の中では一番の幸せ者です。彼女がサルモン神殿でアドルに別れの挨拶をするとき、その背中に女性特有の冷たい視線を感じたかどうかはさだかでありません。
マリア女性/おとめ座/A型
出現場所 イース国鐘撞き堂 |
マリアはラミアの村で生まれました。ラミアの村がサルモン神殿のお膝元にあったのと、ラミア村にいけにえにふさわしい少女がいなかったのが彼女の不幸でした。誰がいけにえになろうかという選択で、まっさきに彼女の名前があがり、対立候補もいなかったのです。おかげで、彼女はサルモン神殿で5つの鐘のスリルを味わうことになります。アドルが階段を駆け上がっていく音と、それを追いかけるように聞こえる鐘の音は彼女を不安にさせました。5つめの鐘がなるとき彼女の心にはアドルへの恨みなどはなかったようです。彼女の死は全国のファンを劇場に駆け立てました。この時刻の魔物の死亡率は平日の10倍に達したといいますから……。しかし、彼女はそんなファンの前に再び元気な姿を表しました。いやぁ、怒る人もいるでしょうが、少なくともアドルはほっと胸をなで下ろしました。
注:マリアにはサダという許嫁がいる。またマリアは生け贄として差し出されたのではなく「神官狩り」により魔物に捕まっている。
リリア女性/おとめ座/B型
出現場所 ランスの村 |
リリアは母親思いの少女です。長い髪の優しく可愛らしい彼女はランスの村のアイドル的存在です。体がだるくても母に心配をかけまいとして健気にふるまい、村の人々に笑顔で明るく答える彼女は誰からも好かれています。その反面ぼんやりした性格も持ち合わせておりどこか抜けているところも人気の秘密なのかもしれません。美人薄命という言葉の通り彼女は重い病にかかっていたのですが、若き冒険者アドルの活躍で廃坑の奥に閉じこめられた医者のフレアが救い出されリリアの病気を治すことにも成功します。それでほっとしたのも束の間今度はリリア自身がさらわれてしまい、アドルとの再開を果たした時には石にされてしまったりもします。波瀾万丈の冒険の後、いけにえの鐘の鳴り響くなかアドルのことを想うリリアの心が届くのはいつの日のことでしょうか……。
レア女性/ふたご座/B型
通称 詩人のレア |
レアがどこから来たのかをミネアの町の町の人々は知りませんが、その神秘的な顔立ちは昔どこかで見たようななつかしさがあり、すれ違う人々の足をとめさせます。本人が自覚をしていなくても女神としての力が外へ発散されていたのでしょう。彼女の持つ銀のハーモニカによって奏でられる音色は、遙か太古のイースをしのばせる神秘的で美しいものです。アドル・クリスティンと出会うことにより彼女の女神としての記憶は少しずつ呼び戻されていったようで、ラドの塔で再会したアドルに邪悪なる敵の存在を語るのでした。エステリアに平和が戻り、天からゆっくりと降りてくるイースの国を見た時、彼女は完全に覚醒することになります。サルモン神殿のどこかの部屋に双子の女神を祭る部屋があります。世界の平和を祈るレアの姿はそこで見ることができます。
ここに掲げたプロフィールのすべてが日本ファルコム謹製であるという保証はありません。「美少女キャラ大図鑑」の方は「各ソフトハウス提供○秘データ満載!」と銘打っていますが、フィーナのスリーサイズと身長はその後の「イースエターナル」の裏技で見られる物と全く違っています。また「RPG人名録」は冗談企画ですので、その記述は眉唾物です。
今回紹介した「美少女キャラ大図鑑」と「RPG人名録」は、どちらも1989年当時のコンピューターゲームに登場する人物のプロフィールを集めたものです。「イース」のみならず、他のゲームの登場人物も数多く取り上げています。
80年代後半「イース」をきっかけに、ゲームの登場人物に入れ込むという楽しみ方が定着したことは以前述べたとおりです。「大図鑑」序文では担当編集者が「ゲームの世界をより楽しんでもらえれば、それはもう大成功というわけサ。」と言っています。
入れ込むということは、そのキャラについてもっとよく知りたい、もっと深く知りたい、もっと楽しみたいという欲求と紙一重ですので、こうした企画はユーザーの欲求を反映して現れたといってよいのでしょう。