県道63号線・主要地方道最上鬼首線

花立峠の位置

 山形北部の最上地方と宮城県を結ぶ道でも、中山越こと堺田は、松尾芭蕉一行が通ったことで特に知られている。ところがその一つ北にある花立峠、最上町の向町(むかいまち)と宮城県鳴子町鬼首(おにこうべ)を結ぶ道のことは、それほど知られていないのである。


起点・最上町向町交差点

起点・最上町向町交差点

 バイパスの新道もできているが、今回は旧道をご案内。国道47号線から伸びる路地のような脇道が県道への入り口。直前の標識には県道の表示がないので、注意しないと見落としやすい。写真には写っていないが、交差点の真ん前にセブンイレブンがあるので目印にしよう。
 ちなみに新道入り口はちょうどこの路地の反対側。


満沢街道踏切

陸羽東線満沢街道踏切

 路地に入って100メートルほどのところで、ヘアピンカーブの踏切で陸羽東線を渡る。


最上駅

jr東日本最上駅

 180度のターンを決めてまた100メートルほど走ると、最上駅の前に出る。昔は羽前向町駅と呼ばれていたのだが、1999年に最上駅と名前を改めた。公民館併設の珍しい駅舎で、全国でもここにしか例がないとか。


駅前の様子

向町駅前商店街

 向町は最上町の中心部。駅前にはささやかな商店街がある。

駅前交差点

 駅前を直進し、最初の交差点を右折する。距離にして100メートル足らず。


向町中心部

サトウ生花店

 直進したくなるが、県道は生花店脇の路地に入り込む。見落としやすいので要注意!

住宅街の路地

 住宅街の路地をひたすら直進。


新道合流点

新道合流地点

 路地を進むと新道と合流する。花立峠に行くならここを左折しよう。

新道の様子

 新道に出た途端に道が広くなるが、長くは続かない。


追分

新庄北高向町分校前の追分 追分前の標識

 標識に従って直進道路を逸れる。新庄北高向町分校が目印。

追分碑と青面金剛碑

 分校前には「右 鬼首」と刻まれた碑があり、ここが古くからの追分であることを示している。隣にあるのは青面金剛の碑。庚申講と関係があるようだ。


黒沢

黒沢から見る禿岳

 追分を過ぎると急に鄙びてくる。目の前にどっしりと据わるのは禿岳(かむろだけ)。花立峠は禿岳の南で奥羽山脈を越えている。


黒沢神社と馬頭観音

黒沢神社 馬頭観音碑

 黒沢集落にある神社と石碑。ちょうど集落の入り口と出口にあたる場所にある。
 人だけではなく、馬も峠を越えた。最上町は古くは馬産地で、南部地方(現在の青森県八戸一帯と岩手県)から買い入れた馬を繁殖させ、軍馬や農耕馬として使役していた。南部からの馬の通り道となったのが花立峠で、現在の前森高原が牧場となっていた。峠を越えてきた馬は黒沢で当地に引き渡され、馬市にかけられた。
 神社と馬頭観音は馬の守り神「大伝馬様」として、馬産に携わる当地の人々の崇敬を集めた。馬産で栄えた歴史がここに眠っている。


判屋橋

判屋橋

 判屋橋という小さな橋で小川(黒沢川)を越える。両車線が別々の橋になっているのが特徴。橋の向こうに見えるのは判屋の集落。
 ついでに橋の直前、左側はちょっとした空き地になっていて、一見絶好の路肩停車ポイントなのだが、乗り入れようとすると、草に隠れた側溝にはまってえらいことになる(実際えらい目に遭いました)。


判屋

判屋の様子

 峠下最後の集落。県道の両脇に農家が並ぶ。ここを過ぎれば峠を下りるまで民家はない。


峠に向かう道

大型車両通行禁止区間入り口 隘路幅員約2.5メートル

 判屋を出ると間もなく、道幅がいきなり狭くなる。ここから先は大型車両通行禁止。というか大型車は通れるのか?


峠入り口

花立峠入口

 冬季通行止め区間に到着。おなじみ通行止めゲートをくぐれば峠道の始まりだ。

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