看板に見られる仙住寺はもともと文字通り、峠で立ち往生した人々の駆け込み寺だった。
かつては難所だったこの峠も、気軽にドライブや散策を楽しめる場所となった。
笹谷トンネルの隣に掘られた新しいトンネル。山形自動車道4車線化の一環として開削された。
山形自動車道は長いトンネルで笹谷峠を抜ける。
道は細いが、風景もよく道も整備されているため楽しく通れる。離合の際はご注意を!
笹谷峠にはこのような水飲み場がいくつかあって、冷たくておいしい水が飲める。
このすぐ脇にある小さな滝は、きれいに水が澄んでいる。
宮城側は度重なる自然災害による土砂崩れで長年の間通れなかった。この光景を見て納得する。
笹谷峠は奥羽山脈の登山口でもある。
北に行けば山形神室岳・二口峠を経由して面白山へ、南に行けば雁戸山を経由して蔵王まで縦走できる。
笹谷峠は浸食谷を縫う道であるせいか、道が非常に曲がりくねっている。
慣れてないと曲がるときにエンストしやすい。
笹谷峠名物。
峠の鞍部。名前の通り笹ばかりで、これが峠名の由来でもある。
峠名の由来では、その他に阿古耶姫と松の精の悲恋の伝説にまつわるものが知られている。
はまぐり山への登山道から鞍部を見下ろす。なだらかな上り傾斜は八丁平と呼ばれ、散策路がある。奥に見えるのは雁戸山。
同じ登山道から北の方を見ると、トンガリ山と呼ばれる山が見える。その奥には山形神室岳が控えており、そこからは天気がいいと鳥海山さえ見渡せるという。
今度は山形県側を見下ろす。ぐねぐねと折れ曲がった道が一望できる。麓に見えるのは山形自動車道関沢IC。
ふた國の生きのたづきのあいかよふこの峠路をかなしむわれは
鞍部にある歌碑。斎藤茂吉は山形県上山市出身の歌人。還暦記念に歩いて笹谷峠を旅した時に詠んだ歌が刻まれている。
鞍部から笹藪の中を南に20分ほど歩いた場所にある。かつて峠を往来する人々はここを通っていたのだろう。今は広場に跡を示す標識があるだけとなっている。
峠が通れるようになったため、往来する車が多かった。
峠からしばらくは下り坂が続く。アクセルを踏まずともクラッチを切っているだけで滑るように下っていける。
市民の憩いの川。休みともなると多くの人が繰り出している。
山形自動車道山形蔵王ICを過ぎたあたりから、沿線は急に都市らしくなってくる。
山形市鉄砲町で国道112号線と交わる。ここは地下歩道の整備中だった。
(2002年5月取材・2003年1月記)
アクセス:始点は宮城県仙台市太白区長町の国道4号線から。終点は山形県山形市国道112号線鉄砲町交差点。
所要時間:総延長72km。実延長71.8km。始点から終点まで自動車で3時間程度。
冬季閉鎖:
有。山形県山形市関沢から宮城県川崎町笹谷までの約12km。11月上旬〜4月下旬。たいがい五月の連休の頃には通れる。代替ルートは山形自動車道笹谷トンネル(有料。歩行者・125cc以下の二輪車・軽車両などは通行不可)か蔵王の刈田峠。
特記事項:
笹谷峠に通行車両制限あり。5t以上の車は通行不可。台風や大雨の影響で山形自動車道共々通行止めになることもあるため、交通情報にはよく耳を傾けておくこと。