投稿ゲーム再発見「デビルボール」

「デビルボール」タイトル画面 「デビルボール」ゲーム画面 「デビルボール」戦闘モード

ストーリー

 世界をおびやかしているCRIME(罪悪)軍団の将軍チアールは、自分の思いのままに政治を行っていた。世にある悪の根源をなすデビルボールを、次々と手に入れ、ますます、悪の将軍として世の中を荒らしまわった。そんな将軍をたおそうと立ち向かった兵士も何人かはいたが、だれ一人として、もどってくる者はいなかった。将軍の持つ7つのデビルボールがあれば、どんな悪いことでもできるのだった。
 ある日、剛の妹の由加がチアール将軍にさらわれた。剛は、由加を助け出し、CRIME軍団と戦いながら7つのデビルボールを見つけて、チアール将軍の力を奪うことにしたのだが……。

(「ポプコム」'86/9月号より引用)


「デビルボール」とは

 「デビルボール」はパソコンゲーム誌「ポプコム」に掲載された、読者投稿プログラムです。MSX用のRPGで制作者は森田哲朗氏。敵と戦いながら7つの玉を集め、悪の組織にさらわれた妹を助け出すというのが筋書きです。「7つの玉」というモチーフやグラフィックに、当時大人気だった鳥山明の「ドラゴンボール」の影響が色濃くうかがえます。小学館の雑誌でよく掲載できたものですな。

 さておき、この作品が生まれた1980年代、パソコンが使えるということは、自分でゲームプログラムが組めるいうこととほぼ同義でした。
 ベーマガを始めテクノポリス、ログイン、ポプコム等々、当時のパソコン雑誌には投稿ゲームプログラムコーナーが設けられ、プログラムリストが当たり前に掲載されていました。読者は掲載されたリストを手で入力し、数々のゲームを楽しんでいたのですが、それは格好のコンピューターの勉強でもありました。プログラムを入力してはバグを取り、盛り込まれた技法を盗み、プログラムの作り方やコンピューターの使い方を覚えていったというわけです。

 本作はゲーム自体は技術面でも内容面でも見るべき点はあまりなく、むしろの詰めの甘さが気になるほどなのですが、何画面にもわたるマップを自分で動き回れるというだけでも、わくわくしながら遊んだものでした。


作品概要

「デビルボール」 小学館「ポプコム」1986年9月号掲載
対応機種:MSX/MSX2(RAM32KB以上) 作:森田哲朗
ジャンル:RPG
プログラム構成:BASICリスト×1,マシン語リスト×1
メディア:テープ専用(Disk BASIC上ではテープセーブ不可)

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