投稿ゲーム再発見「シークレットルーム」

ルーム2・ゴブリンの部屋 ルーム5・ポプコムの宣伝デモ ルーム9・ゴースト戦

ストーリー

 平和な城がある日、GHOST(ゴースト)によって支配されてしまった。そこで「正義の騎士」JES(ジェス)君は聖なる剣を手にし、城をとりもどさんとするのであった。ところが、GHOSTは9つの部屋にモンスターを雇い、あやつっていた。勇敢なJES君がモンスターを次々に捕らえても、GHOSTのいる9番目の部屋にたどり着くことはできないのだ。なぜなら、各部屋には秘密があるからなのだ。そして、その秘密とは……。

(「ポプコム」'86/8月号より引用)


「シークレットルーム」とは

 「シークレットルーム」は、「ポプコム」誌に掲載されたMSX用読者投稿プログラムです。作者は松谷実氏で、掲載号は1986年8月号、内容は面クリア型のアクションゲームです。プレイヤーは主人公ジェスを操り、怪物が占拠する部屋を攻略していくことになりますが、敵との戦闘が体当たり式だったり、謎解き要素が盛り込まれたりと、「ドルアーガの塔」のようなARPG風味の作品に仕上がっています。
 本作の目玉はなんと言っても、多彩な敵キャラでしょう。各面に待ち受ける敵キャラは、スケルトンやゴブリン、魔法使いにドラゴンといった、ファンタジーではおなじみのモンスターどもです。
 プロアマ問わず当時のコンピューターゲームでは、さまざまなモンスターが登場するということも、大きな売りになりました。本作はMSX用オールBASICという制約の中、個性的なモンスターがいくつも登場するばかりか、敵によって攻略法が微妙に違っていたりと、プログラムの工夫によって下手な市販ゲーム顔負けの内容に仕上がっています。バラエティ豊かなモンスターが数々登場するのを指して、本作には「モンスター大事典から飛び出した!」というコピーが与えられていました。

 「ポプコム」には、面白さを重視したプログラムが主に掲載され、面白ければリストの長さやわかりやすさは度外視する傾向がありました。「シークレットルーム」はB4版にして5ページ弱、行数にして350行ほどのBASICコードから構成されており、MSX用投稿ゲームとしては中規模の部類に入ります。
 当時のパソコン雑誌には、当然のようにプログラムリストが掲載されていましたが、わかりやすさを重視した「ベーマガ」、自作派を強く意識した「テクノポリス」「プログラムポシェット」、市販ソフト級のゲームが楽しめる「ログイン」等々、その傾向は各誌の特徴となっていました。


作品概要

「シークレットルーム」 小学館「ポプコム」1986年8月号掲載
対応機種:MSXシリーズ(RAM32KB以上) 作:松谷実
ジャンル:アクションゲーム
プログラム構成:BASICリスト×1
メディア:テープ・ディスク(MSX1+Disk環境では動作不具合あり)

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