クリスタルを受け取ったアドルは再びゼピック村に行き、ジェバのもとを訪ねてみた。
おぉ、サラのクリスタルをお持ちか! 神殿に行かれる若者である証じゃ!
私がサラの叔母ジェバ お若い聖戦士、神殿に行かれるなら、この神殿の鍵をお持ちなさい
神殿から戻られたら、ぜひこのジェバのところへお立ち寄り下さいますよう
おお、アドルよ、よくぞ無事で戻られました
どうぞ貴方様に、精霊のご加護のあらんことを!
ジェバが認めてくれたからか、村人の態度は一変し、口を開いてくれるようになった。
この村の人間は、ほとんどが木こりか猟師さ わずかばかりの農地もある 貧乏だが、平和な暮らしだった だが…化け物が出てから暮らしもままならない状態さ
そりゃぁね、銀山の発見でこの土地も繁栄するかと思って期待したものさ だが、現実には銀の利益は土地にはほとんど還元されず、余所の国に流れていったんだ
街が繁栄したころは、随分ひどかったわよ 銀めあてにサギ師やヤクザのような人間がたくさん流れ込んできて、大手を振って歩いていたわ
街の連中かい? そりゃ銀の鉱山が見つかったころは大した羽振りだったさ まるで自分たちがこの地の覇者であるかのような勢いでね
街が寂れていたって? 大きな声じゃ言えないが少し胸がスッとしているんだ 街の連中、私ら土地の人間を見下していたからね
街で盗みを働いた者? フフ、彼らは義賊よ 盗み出したものを、貧しい村の人々に分け与えたのよ
ここに化け物が来ない理由? 地の精霊の力じゃ ジェバ様が祈りを捧げておられる だが、本当は神が復活してくださればよいのだが…
本? あぁ、聞いたことがあります 「イースの書」と呼ばれているものですね? 悠久の昔この地を暗黒の力による災いから守った女神のことが書かれているそうよ たしか数冊に分かれているとか
邪悪な力が我等の聖なる歴史を穢そうとしているのだ! 神よ、我等に力を!
伝説では、かつてクレリアっていう金属でこの地にあった国が栄えたんだって クレリアって銀のことじゃないかなぁ…あんな余所者の街ができて…やっぱり銀は災いの種なのかな……ってお父さんが言ってたよ
村長の家を訪ねると、子供らが心配していたとおり、村長は悩み事を抱えていた。
おぉ、お若い剣士殿! 娘に会われたのか
…そう、お恥ずかしい話しでの 村の宝である銀の鈴を無くしてしもうて…
なかなか村の者にも相談しづらいもので…
もし見つけたら、なんとか届けてもらえんじゃろうか?
村から離れたカルデラの一角には盗賊の小屋があった。
なんだ、小僧 戦士の格好なんぞしやがって!
街のアホウ共にでも雇われたか?
ガキのくせにこのゴーバン様に挑もうなんざ十年早ぇ 出直してきな!
ジェバの言葉に従い神殿を目指す。入口には門番代わり、強大な亡霊の魔物が待ち受けていた。これを倒しアドルは奥へと足を踏み入れる。そこには村長が探していた銀の鈴をはじめ、数々の宝物が隠されていた。そして一角で、一人の少女が捕らわれているのを発見する。
…私を…目覚めさせたのは、誰…?
あなたは…誰?
私はずっとずっとここで眠っていたの
名はフィーナ 私…
【アドル】
話は後だ!
僕が怪物どもの注意をひきつけているから、隙をうかがって山のふもとのゼピック村へ行くんだ!
そこなら安全だから、ジェバというおばさんを訪ねるんだ!わかったね?じゃ、急いで!
私の方はもう大丈夫です あなたも気をつけて…
さっそく鈴を届けなければならない。フィーナが無事脱出できたかも気になる。一度ゼピック村に戻ることにした。
おおお、ありがとう!! なんと言っていいか…
お礼にこのリングを受け取って下され
勇士が身につけると力が湧くと言われるものじゃ
是非またお訪ね下されよ
おお、あなたか… どうぞゆっくり休んでいきなされ
おおアドル、偉大な勇士よ!
ありがとう、感謝の念に耐えません
【フィーナ】
改めましてご挨拶いたします 私、フィーナでございます
本当にありがとうございました
でも…何故あそこで眠っていたのか思い出そうとすると頭が痛くて…
さっき逃げる時に、こんな鍵を拾いました
何かの役にたつと思いますのであなたに渡しておきます
盗賊小屋に行ってみると、神殿で見つけた「両目の仮面」の使い途がわかった。
ん! おぅ!、ちょっと待て! 珍しいマスクを持ってるな
それを着けると、見えないものが何か見えるって話だ
…おっと、もういい 出ていきな!
仮面とフィーナから受け取った鍵で、アドルは神殿の最深部にたどり着いた。水没した最深部では百足の化け物がイースの書を守っていた。これを倒し、無事最初の書を手にして地上に戻ってみると、思いがけない事件が待っていた。
…アドル、我が姪サラのもとへおいでください…急いで!
先ほど、邪悪なる気が街へ飛ぶのを感じました
胸騒ぎがするのです どうぞ早く!
ジェバの知らせを受け、サラの店に急行する。
(彼女は息も絶え絶えにこう語った…)
あなたの存在に気づいた邪悪なるものが私の生命の火を消しに来たのです
…そうです、私はこの運命を水晶を通じて知っていました
いいのです、聖なる大いなる力の復権のため、私は喜んで礎となります…この書を受け取ってください
そして残りの4冊を手に入れ、大いなるものを知り、邪悪なる者を駆逐してください 次の書は廃坑の奥に…
今後はわが叔母ジェバも道を知らしめてくれるはず
さようなら、アドル… あなたに精霊のご加護を…
2冊目の書はサラの遺品だった。サラの訃報を伝えに、再びジェバの家に向かう。
我が姪サラは、聖なる目的のため命を捧げました…
悲しみにひたる時間は残されておりませぬ
アドルよ、自らの意志と精霊の導きに従って行動なさるがいい…すぐに坑道をさぐられよ
成長したあなたは、封印を解き中に入れるはずです さあ!
サラの遺言に従い、次は廃坑を目指すことになった。その前にアドルは何か新しい情報はないかと、人々に尋ねまわってみた。
サラが殺されたってぇ…いい人だったのに…きっと、少し頭が切れすぎたんだな、マヌケに限って長生きするもんさ… しかし、この街も安全じゃぁなくなったってことか、はやいとこオサラバするに限るぜ
おめぇ、村に行ってきたんだってな なんか飲むか?
そうそう、そこの緑の服のあんちゃんが、お前に話があるってよ
そうそう、いつかサラがいってたんだけどな、え〜と、ほら、指輪がどうとか…あぁそうだ、時間を遅くしてしまう指輪とか、体力がどんどん回復する指輪とか世の中にはいろいろ変なもんがあるらしいぜ
レアは今度はハーモニカを無くして途方に暮れていた。
私は詩人のレア 大切な銀のハーモニカをなくしてしまいました あれがないと私は詩をつくれません どうしたらいいのか…
村長の子供らに会うと、父の悩みを聞いたことに感謝してくれた。
どうもありがとう 村長の父に会ってくれて!
パパ元気なの? わ〜い
入口の封印を解き、廃坑に足を踏み入れる。内部は魔物の巣となっていたが、宝物もいくつか眠っていた。その中に「ロダの種」と「ハーモニカ」があった。
ああ、あの大きな木かい? あれはロダの木といってね、わしらの先祖がこの地に住居を定めた頃から立っているんだ 御神木さ
ロダの木の伝説っていうのはね、昔、邪悪な力がこの地にはびこっていた時代、その力を使う者と戦った勇者が、あの木の根元で倒れてね… 今でもそこに聖剣が眠っているっていうものよ なんでも、封じられた伝説の金属でできているとか
聖剣? 御神木が聖戦士と認めた者に渡すと言い伝えられているよ
村で御神木の噂はいくつか聞いている。木の根元に行くと、言葉とともに聖なる銀の剣を託された。
若人よ
聖なる戦いに出向く者よ
我は此の地をその初めより見据えし者なり
そなたを我が元に眠りし剣の
正当な継承者と認む
ハーモニカはレアのものだった。レアは礼として不思議な力が込められた指輪と演奏を贈ってくれた。
あら、私のハーモニカ…いったいどこにあったんですか…
え? 廃坑に? 何故そんな処に…
お礼にこれを差し上げます どうもありがとうございました
いつぞやはお世話になりました お礼に一曲いかが…
溶岩煮えたぎる廃坑の最深部には蝙蝠の魔物が棲んでいた。強敵だったが、アドルもこれまでの冒険で成長し、強力な銀の武具も手にしている。激闘の末魔物を倒すと、三冊目となる書が見つかった。