セルセタ古代文明の復活を阻止するため、アドルは古代セルセタの英雄達に導かれ、その協力を得ることとなります。
古代セルセタの英雄。仲間の五忠臣と共にアドルを導き、太陽の仮面に対抗する力を授ける。
SFC版 | PCE版 |
SFC:英雄の剣を手に入れることが会う条件。古代史では人類を支配しようとした有翼人と戦って勝利した。
PCE:五忠臣の試練を全てクリアすることが会う条件。古代史では殺戮王アレムを打ち倒しセルセタ王朝を開く。
レファンスは古代セルセタの英雄でして、混乱にあったセルセタに平穏をもたらしました。古代文明壊滅のため、霊になってもアドルを導くのは同じです。PCE版の方が会うまでの道のりが長い分、会ったときの達成感みたいなものはあります。
違いはむしろ、古代史での役割にあります。それについては前回述べましたが、SFC版では有翼人、PCE版ではアレム王と戦ったことになっています。この違いが両機種それぞれの物語の違いとして反映されています。
古代セルセタでレファンスに仕えた五人の仲間。
スラノ、タリム、トリエ、ラディー、ミーユ。霊になってもアドルを支えた。
SFC版 | PCE版 |
スラノ | タリム | トリエ | ラディー | ミーユ |
SFC:五人がバラバラに出てくることはない。アドルに加護を与える。最終決戦ではエルディールの装甲を破壊する。
PCE:試練で一人ずつ対面し、それぞれが魔法を授ける。最終決戦では自らの魂と引き替えに、月の仮面に力を注ぎ込む。
ゲーム中ではレファンスよりも、むしろこちらの方、五忠臣の方が違っています。五忠臣は「イースII」における6人の神官と似たような存在です。アドルに力を貸すのは同じですが、PCE版では「試練」として個別に対面する上、それがゲーム中大きなイベントとなっているため印象に残ります。 SFC版はイベントも少ない上、十把一絡げで出てくるので、あまり記憶に残りません。
SFC版・五忠臣のレリーフ
「見えないパーティを組んでいる」と言えるほど協力者の存在を感じとれるシナリオは、IとIIのシナリオライター宮崎友好氏の狙いでした。彼がシリーズから離れた後、それは登場人物の多さとして生き残ったのかもしれません。
また、ファンの期待に応えたのか、前作に登場した人物が多々再登場しています
ランスの村の医師。「イースII」では薬を調合しリリアの命を救った。万能薬の材料を求めてセルセタに渡る。
SFC版 | PCE版 |
SFC:アドルと共にセルセタに渡り、各地で医療に従事。怪我人の治療に駆り出された。身動きのとれない自分に代わり、完成した万能薬をエステリアまでアドルに届けてもらった。事件収束後はエステリアに戻る。
PCE:一足先にセルセタに渡っていた。万能薬調合のため一時エステリアに戻ることになる。事件収束後は後身育成のためアリエダにとどまることを決意。
フレア=ラルは序盤から中盤にかけての案内役です。「イースII」ではリリアの薬を調合しましたが、そういうことなのか、今回も薬を調合します。その万能薬が、またエステリアに戻るきっかけとなります。
PCE版は中盤、まず万能薬が必要になるイベントが起こり、そのために材料を探しに行くというイベントがあって、そして調合のためエステリアに戻るという具合に話が進みます。その間にも古代の伝承を聞いたり、古代イース史が分かったりと、重要なイベントが目白押しです。フレアはその渦中にいる分目立ちます。逆にSFC版はこれにあたる展開がない上、知らないうちに万能薬を完成させているためかなり呆気ない印象を受けます。
ちなみに、万能薬の名前は各機種で違っています。SFC版は「フレアの秘薬」、PCE版では「エリクサー」となっており、効果も違います。
行く先々でアドルの前に現れては、情報を与える男。
SFC版 | PCE版 |
SFC:情報屋。アドルの前に現れ、セルセタ古代文明にまつわる話をする。
PCE:元闇の一族。黄金の城を探しに来た。異変の陰に闇の一族があると知ってからは、彼らを追いかける。
デュレンは狂言回しのような役割ですが、SFC版はロムンの砦とハイランドでたった二回会うきりで出番が少ないです。情報屋という割にたいした情報を持ってるわけでもないので影は薄いです。
逆にPCE版では、繰り返しアドルの前に現れます。元闇の一族というのはPCE版のみの設定で、今は足を洗っています。それゆえエピローグでは闇の一族の気持ちを察することを言います。
残念なのはそれが本編にさほど生かされていないことです。闇の一族との絡みがもっとあれば、さらに魅力的なキャラになっていたことでしょう。
PCE版・聖域の城に現れたデュレン
樹海警備隊主要メンバー。闇の一族によって魔物にされていた。
SFC版 | PCE版 |
SFC:クレーターで魔物としてアドルと対決。倒された後は樹海警備隊に復帰し、カーナ共々活躍する。
PCE:アリエダ鉱山で魔物としてアドルと対決。倒された後アドルに闇の一族に注意するよう促す。
レムノスはどちらの機種でも闇の一族によって魔物に変えられており、最初のボスとしてアドルの前に立ちはだかります。
やがて樹海警備隊に復帰するのは同じなのですが、PCE版が序盤以降ほとんど出番がないままなのに対し、SFC版ではカーナと共に古代都市にも乗り込んできて、エピローグにも登場します。
同じことが他の主要人物にもついて言えます。PCE版は主要人物であれ、ごく限られた出番しかない場合が多いのですが、SFC版は逆に全般にわたって、一応出番があります。
吟遊詩人。古代イース王国知恵の神官ジェンマの子孫。
「イースI」では夢遊病でダームの塔に迷い込んでいた。アドルの冒険に手を貸す。
SFC版 | PCE版 |
SFC:エステリアに平和が訪れてからはイース建国の謎を調べていた。古代セルセタと古代イース王国の関係をつきとめ、その証である月の瞳をリリアが持っていることをアドルに教える。
PCE:夢遊病なのは相変わらず。夢遊病で出歩くうちたまたま手にしていた銀のハーモニカをアドルに渡す。アドルにリリアの危機を伝えに来る。
「イース」に登場したルタ=ジェンマも再登場します。どちらにも出ていますが、PCE版は端役と言って差し支えありません。対して古代イース史の講釈をする分、SFC版の方が重要度は高くなっています。
ちなみに、ルタの夢遊病はイースの女神の導きであって、エステリア解放後に直ったはずなのですが、そのイメージがあまりに強すぎたのか、PCE版ではそのまま夢遊病が直っていないことになっています。
ゼピック村に住む老女。有職故実に詳しく古代イース文字が読める。
「イース」ではその知識でアドルを支え、神殿から救出されたフィーナを保護し面倒を見ていた。
古代イース王国力の神官トバの子孫。ゴーバンの母でサラの叔母。
SFC版 | PCE版 |
SFC:アドルにゴーバンの居場所を教える。
PCE:アドルがセルセタで拾ってきた「悲しみの石版」を解読する。
同じくジェバも再登場です。SFC版は端役ですが、PCE版では古代イース文字が読めるという特技にまた頼ることになります。アドルが途中でエステリアに戻ってきた理由は二つあって、一つはフレアの万能薬のためでして、もう一つは石版をジェバに読んでもらうためでした。
元盗賊の首領。古代イース王国力の神官トバの子孫。
「イースII」ではトバの子孫としてイース中枢にルタ=ジェンマ共々乗り込んでくる。
その後盗賊から足を洗いミネアの街に取引所を開業する。ジェバの息子でサラのいとこ。
SFC版 | PCE版 |
SFC:ドギにリリア捜索を命令する。
PCE:行方不明になったキースの捜索に奔走していたが、事態収拾後は取引所の営業を再開する。
一応ゴーバンも紹介しておきます。カタギになって取引所を開業しているのは同じです。もともとPCE版プロローグでアドルとドギがエステリアを再び訪れたのは、ゴーバンの開業を祝うためでした。
PCE版では店が利用できまして、宝石類の買い取り価格が他より高めになっています。SFC版でも開業してはいるのですが、臨時休業ということで仕舞いまで利用できません。
元盗賊。「イース」ではダームの塔に潜入しておりアドルの手助けをした。
「失われし古代王国」以降しばらくアドルと行動を共にする。アドルの窮地に現れる。
SFC版 | PCE版 |
SFC版 | PCE版 |
SFC:リリアにアドルの居場所を漏らしたため、ゴーバンの命令でリリアを連れ戻すためセルセタに渡ってくる。ある意味もっともリリアに振り回された人物。
PCE:アドルと共に旅を続けていたが、ゴーバン開業を祝うためアドルと共にエステリアに戻ってきた。ガディスが倒された後アドルの身を案じセルセタに渡ってくる。
「イース」での登場シーンが強烈だったのか、ドギ=壁破りキャラということになっているようで、SFC版でもPCE版でも壁破りでアドルの元に駆けつけます。特にPCE版ではこれでもかという程壁破りを披露しています。SFC版ではリリアを捜索するため、PCE版ではアドルを心配してセルセタまでやってきます。
「イースIV」は「ワンダラーズフロムイース」に続くので、どっちでも最後にはアドルと一緒に旅立つという終わり方になっています。
今回は両方の機種に登場する人物について比較しました。次回は一方の機種にしか登場しない人物を紹介しながら、両機種の違いを見てみます。