PCエンジン版の人物

良くも悪しくもPCE版は盛りだくさんな作りなので、こちらの方が登場人物も多くなっています。


サラ=トバ

占い師サラ

ミネアの街の占い師。「イース」ではエステリアの災厄を予見し、アドルにイースの本捜索を依頼した。
「イースIV」ではセルセタの異変を察知し、アドルにセルセタ行きを依頼する。
古代イース王国力の神官トバの子孫。ジェバの姪でゴーバンのいとこ。

 パソコン版「イース」ではダルク=ファクトに殺されていますが、PCE版では身の危険を感じてセルセタに渡っていたため生存しています。パソコン版からのファンにはかなり抵抗があるようですが、ともあれ、今回もアドルを冒険に導きます。店に寄るたびセルセタの異変を恐れるようなことを言います。
 実はSFC版にも出てきますが、名前すらない端役となっています。原案がPCE版「イースI・II」を元にした名残ゆえです。


ティム

ティム

リブラの村の少年。氷の山で魔物に捕まり、その時受けた毒が元で体が石化する奇病に冒される。
病気が治ると還らずの遺跡へ出かけてしまう。祖父のジェフと二人暮らし。

 PCE版中盤の重要人物です。PCE版中盤の展開は、ほとんどがティムがきっかけになっています。中盤はこの少年のため、エステリアをはじめあちこち動き回ることになると言って差し支えありません。ある意味SFC版リリアと等格の存在です。


三賢者

ラメス エンゾ アリア
ラメスエンゾアリア

ラメス・エンゾ・アリア。セルセタ各地におり、アドルに古代セルセタの伝承を伝える。

 セルセタ古代史が劇中重要な意味を持ってるのは両機種同じですが、SFC版では大長老が一人テキストだけでやっているのに対し、PCE版では三人がかりヴィジュアルデモ付きでやっています。このことからも古代史解明部分に非常に力を入れていることがうかがえます。
 セルセタを救うべく選ばれた人間にしか語らないということにはなっていますが、SFC版の大長老のように、会うために必要な条件というものはありません。


フィーナとレア

フィーナとレア

古代イース王国を作った双子の女神。「失われし古代王国」では蘇った魔を打ち倒すべくアドルを導いた。
アドルの前に現れ古代イース王国とセルセタの関係を語る。

 画面写真では青っぽい方がフィーナ、赤っぽい方がレアです。
 「イースIV」の売りの一つは前作の登場人物、具体的にはリリアが再登場することですが、PCE版ではそれに加えてイースの女神まで再登場します。イース古代史が彼女らの口から語られるのは、「イースの黎明」という副題の根拠なのかもしれません。
 制作者としてはリリア同様、ファンサービスのつもりだったのでしょうが、世の多くのファン、特にアドル×フィーナ派の多くはこの再会イベントに「あの悲しい別れは何だったの」とか「想い出を汚さないで」とそれは猛烈な拒否反応を示しました。サービスにすらならなかったようです。


ラーバ=サルモン

ラーバの手紙 「イースエターナル」のラーバ
PCE版・ラーバの手紙「イースエターナル」のラーバ

ダームの塔に侵入していた老人。IVではアドルのために手紙と魔法の品を残す。

 今回ラーバは名前のみの出演です。「イース」ではセカンドネームまでは判りませんでした。
 サルモンの名は非公式設定集「グローバルガイドブック」に出てきます。イース7人目の賢者として名を連ねておりまして、イースの女神に創造を司る力を賜り、サルモンの神殿を造営したほか、クレリアを作ったということになっています。
 ラーバはその子孫であるらしく、クレリアが古代の災禍を招いたいきさつを詳述した手紙をアドルに残します。この設定はおそらく「グローバルガイドブック」を元に創作したものと思われます。「イース完全版」では、ラーバは大陸から渡ってきた学者ということになっており、サルモンの子孫であるという設定は見られません。
 ところで、ラーバがアドルに託したアイテムに「偶像」があります。「イースIV」では装備すると攻撃魔法に追尾機能がつくのですが、そもそも「イース」に出てきたラーバの偶像には魔除けの効果しかありません。制作者が「イースII」の「彫像」と混同したと思われます。


キース=ファクト

魔物にされたキース

エステリアに住む青年。「イースII」では魔物に変えられながらも、アドルの冒険の手助けをした。
今回はガディスに捕まり再び魔物にされる。神官ファクトの家系らしい。

 キースも一応紹介しておきます。今回はガディスによりダルク=ファクト似の魔物に変えられ、ダームの塔でアドルと戦う羽目になります。ガディスは魔物としてアドルと戦わせるためファクト姓の人間を捜していたのですが、ファクトの人間でなければならない理由まではわかっていません。
 実はSFC版にも登場してまして、自在に魔物に変身できるという妙な特技を披露します。役はそれだけです。PCE版のように本筋には絡んできません(注)。
 おそらく前作で魔物に変えられていた過去のため、IVでも魔物と縁の深いキャラとして再利用されたものと思われます。

注:SFC版ではバミーに魔物に変えられたらキースに話しかけると元に戻してくれるのだが、必須イベントではない。


クープ

クープ取引所

開業の元手だった水晶の小瓶を紛失して途方に暮れている男。小瓶を届けるとプロマロックに取引所を開業する。

 クープは本編と特に関係ありませんが、言及したいことがあるので取りあげました。彼が無くして困っている水晶の小瓶ですが、峠に向かう道の途中にある池に沈んでいます。このイベントが「イース」金の台座イベントの使い回しであることは容易に想像がつきます。
 「イースIV」は随所にこうした前作使い回しのイベントが散見されます。

水晶の小瓶を拾う
水晶の小瓶を拾う場面


アレム

殺戮王アレム

古代セルセタを支配した暴君。古代史ではレファンスと五忠臣に打ち倒された。
闇の一族の始祖で、グルーダ達により復活させられる。

 殺戮王として恐れられたセルセタ古代史の人物です。PCE版では、闇の一族はアレム復活による一族の復権を狙っていました。アレム復活に失敗する様はPCE版のプロローグに伺えます。
 太陽の仮面の力でついに復活させられ、PCE版最後の敵としてアドルと戦うことになりますが、闇の一族のよりどころと言える人物が最後に登場することからも、PCE版が闇の一族を描いた話であることがわかります。

復活の儀式
復活の儀式


ジーク=ファクト

ジーク=ファクト

古代セルセタに現れた魔導師。月の仮面を奪い、古代セルセタを滅亡に陥れる。
その後月の仮面と共にエステリアに渡り古代イース王国も滅亡させた。
仮面の力で700年間生きながらえダルク=ファクトと名乗るようになる。

 いよいよ最大の問題人物、ジーク=ファクトです。月の仮面ことマスクオブアイズは彼がエステリアに持ち込んでいます。「イース」のダルク=ファクトと同一人物とのことで、そうなると古代セルセタ王朝と古代イース王国、そして「失われし古代王国」の災厄は全てダルク=ファクト一人のせいということになります。
 国二つ滅ぼした上、700年生き延びてエステリアまで危機に陥れたとか、ダームさえジークの仕業で生み出されたという設定はあまりに荒唐無稽で、発売当初からファンの間でもさすがにこれは無理だと言われています。事実、ジークの存在を認めてしまうと「イース」にはとてつもない矛盾がいくつも生じてしまうのです。
 ここからは荒井の推測に過ぎないのですが、ジークもファンサービスのつもりで作られたキャラと思われます。
 ダルク=ファクトはオリジナルが発売された当時にしては珍しい、暗い過去を感じさせる美形の悪役だったせいか、登場人物の中でも相当人気がありました。
 「イースIV」の売りが前作キャラであることは繰り返し述べていますが、その一環でダルク=ファクトも物語にこじつけられた結果、ジーク=ファクトというあり得ないキャラクターが作られてしまったのではないでしょうか。セルセタ製の「月の仮面」こと「マスクオブアイズ」がエステリアにある理由にしても、もっと無理のない設定が作れたと思うのですが...
 「イースエターナル」では、ダルク=ファクトは古代イースの歴史を知っていたため悲惨な目に遭い、それゆえ魔人に身をやつしたことになっています(この設定はOVAに由来するらしい)。そんなダルク=ファクトを単純に支配欲の強い悪の魔人に貶めたジーク=ファクトの設定は、ファンにとっては受け容れがたいものがあるのです。

 これで二回にわたった登場人物の検証は終わりです。次回はゲームシステム面の比較とまとめです。

前に戻る文頭に戻る目次に戻るトップページに戻るおまけを読む