最上町側を紹介したところで、今度は反対側の尾花沢から登ってみる。主要地方道尾花沢最上線こと県道28号線沿いにある岩谷沢地区が、尾花沢側の入り口だ。
県道から路地に折れると、左手に火の見櫓が見える。
道なりに進むと右手に「背坂峠」の標柱が現れた。廃道と化しているものの歴史的な道であることに違いはなく、地元でもその名前は覚えていてくれるようだ。
標識の真向かいには道が延びている。峠に行くにはこちらに折れる。
岩谷沢川を渡り集落を抜ける。少し進むと林道との分岐に出た。ここは道なりに直進しよう。
分岐点には林業従事者の方が建てたのか、山神の碑があった。
取材当時、分岐点の先では改修工事が進められていた。周囲には田んぼが広がっているので、このあたりはまだまだ人の出入りがあるようだ。
とはいえ奥に進めばさすがに道は細くなってくる。沢を境に道は細いあぜ道に変わった。
細いが小型の自動車なら十分に通れる状態だ。
進むうち再び沢筋に遭遇。この先道はさらに細くなる。
再び沢筋を渡ると、路面は杉の葉で厚く覆われてしまった。単車や自動車で進入できるのはこのあたりが限界。
そして道はとうとう沢筋で断ち切られてしまった。ここから先は歩いて進むことになる。
尾花沢側を取材したのは5月上旬。道中にはカタクリの花が咲き誇り、道のりの随所で目を楽しませてくれた。
尾花沢側は岩谷沢川をさかのぼりながら峠を目指すことになる。途中で何度か沢を渡るので気をつけよう。
残っている場所はこれくらいよく残っているが、藪や分断箇所は最上町側以上に多いため、道は非常にわかりづらい。
だましだまし進むと、やがて目印付きの大木が現れた。ところがこのあたりで道跡も途切れてしまった。
山手を見ると杉林の上に平場があるのを発見。これが峠に至る道のようだ。
平場に取り付くと、再び道跡がわかりやすくなった。ここまで来ればまずは第一関門突破である。
しばらくは日差しを浴びる気持ちのよい道が続く。
中腹のあたりにはブナの林が広がる。
谷の対岸にはブナの大木がへばりつくように生えていた。
ブナの切り通しにさしかかる。尾花沢側のブナ林も、最上町側に負けず劣らず美しい。