「迷宮」という意味で使われることが多くなったけど、「DUNGEON」とは、本来城郭の地下室や土牢を表す。本作の舞台は、広大かつ殺風景な地下迷宮だ。
ストーリーにあるとおり、主人公を操り迷宮から脱出するのが、ゲームの目的だ。どこかにある梯子を見つけ出し、これを昇ればいいのだが、梯子は扉に守られており、これを開けるため迷宮内に散らばる七つの鍵が必要となる。
七つの鍵は単に落ちているだけではなく、罠で守られているものあり、敵が持っているものありと一筋縄では揃わない。全てを揃えるにはまめな探索と十分な成長が必要となる。エンディング目指して頑張ろう!
ずいぶん見た目があっさりしてるけど、これがプレイヤーの分身、「DUNGEON」の主人公だ。名前は9文字まで任意に付けられるけど、ひらがなやカタカナフォントが一部PCG用に回されているので、アルファベットを使うのが無難だろう。
操作はカーソルキーと外付けゲームコントローラーの好きな方が選べる。ゲーム開始時に「STICK?」と訊かれるので、カーソルなら0、コントローラーなら1を入力しよう。ゲーム中に使うのは方向キーのみで、スペースキーやトリガーボタンは使わない。
スタート時の体力は300、攻撃力は50。戦闘に勝つと体力は敵の強さに応じた量が回復し、攻撃力は微増する。最高で体力は5000、攻撃力は300まで増える。一歩歩くごとに体力が1減り、壁にぶつかると2失う。戦闘やもろもろの理由で体力が0以下になるとゲームオーバー。作者曰く「変なことをしない限り死ぬことはあまりない」けれど、油断すると途端にやられてしまう。堅実なプレイがクリアへの近道だ。
姿 | 名前 | 体力 | 攻撃力 | 命中率 | 特記事項 |
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スライム | 500 | 100 | 6 | おなじみスライム。手を抜かない限り負けることはない。 | |
オクトパス | 700 | 150 | 6 | このあたりはまだ楽勝。水上にタコが居る理由は謎。 | |
スケルトン | 1000 | 200 | 5 | 結構強いがすぐ出てこなくなるので影が薄い。 | |
ナイト | 1500 | 250 | 4 | 難敵。攻撃力が低いうちに遭遇すると苦戦する。 | |
ドラゴン | 2200 | 300 | 3 | こいつと渡り合えるようになればクリアは近い。 | |
ウォリアー | 3000 | 500 | 2 | 最強の敵。かなり強いが一度は戦う必要がある。 |
本作の戦闘はユニークで、移動キーの左右を交互に連打するハイパーオリンピック式。連打でダメージを与えられるが、もたもたしているとあっという間に体力を削られる。
経験値やレベルの概念はなく、主人公は戦闘ごとに少しずつ成長する。体力もさることながら、重要なのは攻撃力を上げること。攻撃力が低いと強敵と戦ってもなかなかダメージを与えられず、討ち負けしてしまうんだ。
敵はプレイヤーの体力に応じて出現する。遭遇したら逃れることはできないが、そのかわり体力が低いのに強敵に襲われズタボロにということもない。そのへんは安心してプレイできるぞ。
鍵 | 扉を開けるもの。全部で七つあり、迷宮の随所に散らばっている。脱出には必須のアイテム。 | |
おにぎり | 体力+300。弱いうちに取るとかえって逆効果になることも。 | |
炭酸入り栄養ドリンク | 体力+800・攻撃力-50。不用意に取ると破滅するので要注意。 | |
毒薬 | 体力-1200。邪魔者だが、これがある場所には何かが... | |
扉 | 出口を守る扉。七つの鍵がそろって初めて開く。 | |
はしご | 地上への出口。ここにたどり着けばゲームクリアだ! |
ダンジョンの中にはいくつかのアイテムも落ちている。気をつけたいのは、このゲームではそれらが基本的に罠であるということだ。考えなしにホイホイ拾うと不利になる。罠である以上、拾うにはそれなりの準備と覚悟が必要になることを覚えておこう。
一歩歩くごとに約6.7%の確率で敵と遭遇する。プレイヤーの体力と各敵キャラクターの体力を比較し、プレイヤーの体力より1ランク体力が高い敵が出現する。たとえばプレイヤーの体力が200の場合、体力500のスライムが出現するが、500を超えると次のランク、体力700のオクトパスが出現するようになる。
プレイヤーが攻撃する場合、乱数で攻撃力の50%以上100%未満を敵にダメージとして与える。
敵が攻撃する場合、1/(命中率)の確率で攻撃が成功し、プレイヤーは1〜攻撃力未満をダメージとして受ける。
戦闘に勝つと、敵攻撃力の50%〜100%+追討ち分、プレイヤーの体力が増える。追討ち分とは、敵の体力が0になってもさらに与えたダメージの分。攻撃力は乱数で1〜5加算される。
1150行 DATA3FEEE2F2の次に0を補う。
突然、あなたの耳に妙な声が聞こえた。
「鍵は七つあるが、そのうち、目に見えるのは四つだけじゃ。ほか二つは目には見えんが、その場に行くと取ることができる。残りの一つは最強の敵が持っておる。これだけ広い迷宮じゃ。マッピングをすると楽になるじゃろう。それから、まちがっても炭酸入り栄養ドリンクを弱いときに取ってはならんぞ。はじめのうちは、ひたすら敵と戦って、ストレングスをあげるんじゃ。おお、そうじゃ、お主にとっておきの戦法を教えよう。それは…お主も聞いたことがあるじゃろう。”炎のコマ”じゃ! さあ、もう教えることはない。行くのじゃ!」
(マイコンBASICマガジン'86/9月号より)
多くのゲームについて言えることだけど、効率よく攻略するにはマッピングが欠かせない。迷宮は64×40ブロックで構成され、数字だけ見ればそう広くない。しかしピープホール式で見える範囲が狭い上、変わりばえしない地形が続くため、意外に複雑で広く感じるだろう。
本作では歩くごとに体力を1消耗する。無駄に歩き回って行き倒れにならないためにも、マッピングをおすすめする。
本作の目的は迷宮から脱出すること。そのためには七つの鍵を集めなければならないが、「影の声」にもあるとおり、「見えない鍵」が二つ存在する。見えない鍵はマップ上に表示されないため、見つけるにはマップ内をくまなく歩く必要がある。袋小路だからといって途中で引き返さず、突き当たりまで行ってみよう。
本作では、プレイヤーの体力に応じて出てくる敵が変わってくる。つまりどんなに攻撃力が高くても、体力が低ければ格下の敵しか出てこないので、やられる心配はまずない。
逆に体力が高ければ、攻撃力が低かろうと格上の敵が出てくるようになる。どんなに体力があってもダメージが与えられないので、攻撃力に勝る敵にあっという間に討ち負けしてしまう。
やみくもに体力を上げればいいというものではない。「影の声」のとおり、じっくり攻撃力を上げ、確実に敵を倒せるようになることが、生還率を高めてくれるのだ。
体力を300増やしてくれるおにぎり。ふつうのRPGならウレシいアイテムだけど、そこに罠が潜む。このゲームでは不用意に取ると、先述の理由で攻撃力が低いまま格上の敵と戦わざるを得なくなり、かえって体力を減らされるなんてことになる。
特に炭酸入り栄養ドリンクは体力を800増やす一方で、攻撃力を50も下げてしまう。十分に成長していないうちに取れば、あっという間に強敵に負かされてゲームオーバーだ。回復アイテムは、体力と攻撃力のバランスを考えた上で取るようにしよう。
ボタン連打のハイパーオリンピック式戦闘はとてもユニークだけど、カーソルキーに多大な負担をかける。そこで利用したいのがジョイスティックだ。ジョイスティックがあれば、キーの傷みを心配しなくてよくなるばかりか、「ゲームセンターあらし」の「炎のコマ」(目にもとまらぬ勢いでスティックを操作する技)の要領で、猛烈な攻撃ができるようになる。
ジョイスティックが調達できないなら、せめてジョイパッドぐらいは準備したい。思い切り攻撃できるようになるぞ。
60行のPとSの値を変える。Pが体力でSが攻撃力。初期値はそれぞれ300と50。上限は5000と300。
1400行と1410行のデータを弄る。データは最初2つの仮名文字がPCG表示用データ、続いて名前、体力、攻撃力、命中率と続く。命中率の数値は少ないほど攻撃が当たりやすくなるので注意すべし。