「SPIRIT」は縦スクロール型アクションゲームである。本作のスクロール方式は少々変わっていて、任意に1ラインずつスクロールできる。ただしスクロールアウトした部分を巻き戻すことはできない。
壺を使ってスライムを10匹以上倒し、どこかに落ちている鍵を拾い、出口のドアに行けばステージクリアとなる。スライムとぶつかったり、湖に入るとライフが減る。0になるとゲームオーバー。ライフはさくらんぼや「めし」を取れば回復するが、お金と引替えに商店で回復することもできる。全5ステージをクリアすればめでたくゲーム終了。がんばってお姫様を救出しよう!
主人公の私立探偵。探偵と称しているが、見た目にはどこかのピエロかでぶっちょの妖精にしか見えない。しかし王様からお呼びがかかるほどだから、それなりに腕はよいのだろう。
本作では王様の依頼で、さらわれたお姫様の救出に向かう。カーソルキーの上下左右で移動、画面最上段以外にいるときにスペースキーを押すと1ライン分画面が進む。攻撃能力はないが、そのかわり落ちている壺を押して動かすことができる。操作は続編よりもシンプルでわかりやすいが、それだけに続編とは異なるテクニックが要求される。
健闘空しくハマったら、壁・壺・木の方を向いてESCキーでギブアップできる。ギブアップすると最初からやり直しとなるので、できるだけお世話にならないように気をつけたい。
本作に出現する敵は赤スライムと青スライムの二種類のみ。動きも単純で、赤スライムはピーターとY座標を、青はX座標を合わせるように徐々に迫ってくる。さらに壁や木等の地形があっても無視してくる。壺を押しつければ倒せるが、倒してもすぐに復活する。このように動きや倒し方こそ単純だが、障害物と相まって、非常にいやらしく感じることだろう。
各面をクリアするには、まずはこのスライムを合わせて10匹以上倒す必要がある。スライムは壺に入るとしばらく居座り、追い出すのが面倒になる。うまく誘導して壺のそばまでおびき出し、一気に退治するのが上手に倒すコツ。倒すとピーターのライフが5増える。
ぶつかるとライフが25減る。ただし随所に存在する柵とブルーラインは安全地帯となっている。この中にいる限り、スライムとぶつかってもライフが減らない。ぜひ覚えておこう。
敵ではないのだが「壺」もここで紹介しておこう。壺は動かすことができる唯一の障害物で、攻略の要となる重要キャラクターだ。各面落ちている数と場所は決まっており、動かし方によっては心強い味方にも、憎たらしいお邪魔キャラにもなりうる。
壺は通過することができないが、押せば動かせる。隅に押しつけてしまうとそれ以上動かせなくなる。邪魔な壺を動かして進路を確保する局面は随所で現れる。壺を動かすときは、進路を塞がないよう気をつけたい。
またスライムに向けて押しつければ、スライムを倒せる。これ以外にスライムを倒す方法はない。押しつけた壺は壊れて消えてしまう。これを利用して通路を作るテクニックも重要なので、よく覚えておこう。
- | 名称 | 説明 | データ |
---|---|---|---|
カベ | 最もよく見る障害物。ピーターは通れない。 | 1 | |
壺 | 先ほど説明したとおり。まさに本作攻略の「ツボ」 | 2 | |
ドア | 各面のゴール。条件を満たしてここにくれば面クリア。 | 3 | |
商店 | 飯屋。お金10と引替えに体力を10回復できる。 | 4 | |
カジノ | お金を増やすルーレットができる。 | 5 | |
鍵 | ドアを開けられる。スライムを倒してもこれがなければクリアできない。 | 6 | |
さくらんぼ | ライフ+30。巨大フルーツはレトロゲームおなじみのボーナスキャラ。 | 7 | |
金の袋 | お金+25。あんまり役に立つ局面はないが、拾っておいて損はない。 | 8 | |
めし | ライフ+50。拾い食いで腹壊すぞとかはこの際言いっこなし。 | 9 | |
ブルーライン | 安全地帯。この中にいる限りはスライムからダメージを受けない。 | A | |
柵 | 効果はブルーラインと同じ。こちらの方が範囲が広い。 | B | |
湖 | 入るとライフが2ずつ減る。実はスライムのダメージが無効化される。 | C | |
木 | 壁同様の障害物。何をやっても通れない。 | D | |
平地 | 何の問題もなく通過できる地形。 | F |
本作のマップはこれら地形で構成される。それぞれの特徴を知ることが攻略の第一歩となる。また、どこに何があるかを覚えておけば、おおいに攻略に役立つだろう。
本作では各面、スライムを10匹以上倒すことがクリア条件の一つになっている。そのスライムを倒すためには壺を消費するのだが、壺は地形として配置されている。つまり各面数に限りがある上、壺のあるところでしかスライムは倒せないということだ。壺がたくさんあるところやスライムをおびき寄せやすい場所は、狩り場と心得よう。稼げるところでヒット数を稼いでおくと、クリアが楽になる。
不可逆スクロールは「SPIRIT」シリーズの大きな特徴だ。つまりいちど先の画面に進んでしまったら、もう後戻りはきかない。続編ほどシビアではないが、不用意な画面送りが命取りとなるのは前作も同様である。調子に乗ってスクロールさせていると、進路を塞いでしまうことはよくある。スクロールさせるときは、常に進路を意識し、道を確保してからにしよう。
使い方によっては強い味方にも、この上ない邪魔にもなる壺。まさにゲームの壺となるフィーチャーだ。場所によっては下手に動かすと、道を塞いでしまうことがある。ここにパズル的な面白さがあるのだが、壺はむやみやたらに動かさず、考えてから押すようにしたい。
二種類いるスライムは、それぞれ出現位置が決まっている上、ピーターと座標を合わせるように動いてくる。逆に言えば、それだけ動きを読みやすく、誘導しやすいということだ。うまく壺の近くにおびき寄せられれば、効率よくヒット数を稼げるだろう。
時にはスライムを倒して壺を壊し、進路を作らねばならないような局面もいくつか現れる。そんなときもスライムをうまく誘導できれば、進めやすくなることは違いない。
本作はリスト中の面データを書き換えることにより、簡単にオリジナル面が作れるようになっている。一度クリアした人、できあいの面では物足りない人、さらに「SPIRIT」で楽しみたい人は、ぜひ面エディットに挑戦してみよう。
方法は至ってかんたん。面データはプログラムリストの2000行以降にベタデータとして格納されている。これを書き換えるだけである。各地形はそれぞれ1〜Fの文字に対応しており、置きたい場所に、置きたい地形に対応する文字を書いていくだけでよい。空白は省略できるが、左右の端に空白を置く場合は、必ず「F」を置かなければならない。どの地形がどの文字にあたるかは先ほどの表に示したので参考にしてほしい。この改造のしやすさはオールBASICならではの長所と言えるだろう。
一行書き換えるごとにリターンキーを押すのをお忘れなく!
誰でもかんたんにステージ改造。こんなムチャクチャな面だってお手のもの。