「雪の魔王編」の基本

 主人公は子ギツネ。吹雪で母を失い悲しみに暮れる子ギツネが、かつて恩を受けた少女マリに想い焦がれ、シタンの町に到着したところから物語は始まる。しかしそこにマリの姿はなく、町が異変に見舞われていることを知る。マリはいずこ? 異変の原因「雪の魔王」とは? 子ギツネの冒険が幕を開ける。


画面の見方と操作方法

「雪の魔王編」画面構成

1グラフィック絵で現在の状況が表示される。
2テキスト欄各種メッセージが表示される。
3プロンプト入力したコマンドはここに表示される。
4タイトル当時のゲームならではのもの。
5矢印移動できる方向が図示されている。

 「雪の魔王編」はコマンド入力式グラフィックアドベンチャーゲームだ。場面を移動しながら、「みる」「はなす」等、そこで何をするかの行動をキーボードから直接入力して、ゲームを進めていく。今となってはほとんど見ることのなくなった形式だ。
 コマンドは日本語で入力する。入力する際はかなキーをロックしておこう。文字種はひらがなでもカタカナでもかまわない。動詞+名詞か、名詞+動詞の形式で、とりたい行動を入力しよう。たとえば周りの様子を見たいときは「まわり みる」、りんごを拾いたい場合は「ひろう りんご」「りんご とる」といったあんばいだ。入力し終わったらリターンキーで実行するのをお忘れなく。
 話を進めるうち、「キツネの呪文」を唱える局面が出てくるだろう。呪文は教えてもらったものをそのまま入力して、実行すればOKだ。
 なお、「を」や「に」といった助詞は不要である。入力した字はBSキーとDELキーで修正できる。入力補助として、SELECTキーで直前に実行したコマンドを呼び出せる。同じキャラに話しかける時などとても便利だ。
 場面間の移動はカーソルキーでできるようになっている。マップはいくつもの場面で構成されている。画面右に表示された矢印が、移動できる方向だ。その方向のカーソルキーを押すと、そちらの場面に移動する。当時のAVGには、移動するときでさえ「まえ すすむ」「みぎ」なんて具合に、コマンド入力で移動するものが多かった。なのでこのUIは遊びやすいと好評を博している。
 なお、この記事はMSX・ROM版に準拠している。テープ版は起動する際、当然BASIC上からゲームプログラムをロードするという手順が必要となる。


特殊なコマンド

 一部特殊なコマンドがある。知っておかないと冒険に支障があるので、そのいくつかと効果を紹介しておこう。

もちもの:

持っているアイテムを見る。

きろく:

データセーブ。進行状況を記録する。セーブにはテープが必要。メモリーへのセーブも可能。「よければスペースキーをおしてください!」のメッセージが出ているときにリターンキーを押すとメモリーに記録する。こちらは本体の電源を切ると消える。データロードはタイトル画面とゲームオーバー時にのみ可能。

ばける:

他の動物に変身する。姿のみならず能力までコピーできるが、いくつかの制約がある。化けられるのは前に会ったことがあって、よく知っているもののみ。命のないものには化けられない。持続時間は10m程度の移動がやっとできるくらいで、長くは保たない。1回化けるたびにはっぱを1枚消費する。

にげる:

おまもりと引き換えに窮地から逃げられる。使うとおまもりを失うので、1回しか使えないと心得よう。また、逃げられない局面もある。

呪文・

主人公の子ギツネは、いくつかの呪文を使うことができる。呪文は登場キャラから教えてもらえる。唱えれば様々な効果が現れる。使うときはコマンド同様、プロンプトから直接入力する。一字一句正確に入力しなければならないので注意しよう。


攻略豆知識

想像力を働かせよう

 「雪の魔王編」はコマンド入力式AVGである。その後主流となったコマンド選択式とは異なり、取るべき行動を自分で考えて入力しなければならない。「みる」「はなす」「とる」といった定型の行動はもちろん、時に思いがけないアクションを取らねばならないこともある。ここでどのような行動が必要なのか? 何が可能か? そんなときは子ギツネになりきって想像を巡らせ、できることを考えよう。思案を巡らせ正解のコマンドを見つけることは、コマンド入力式AVGならではの楽しみ。古典的AVGの醍醐味を味わおう。

おやくそく・動物の話はよく聞こう

 多くのゲームがそうであるように、この「雪の魔王編」でも、登場キャラの話をよく聞くことが重要である。会話から得られる情報なくしては、謎を解くこともできなければ、冒険を進めることもできない。
 当時のゲームとしては充実している方ではあるが、本作のテキストも至れり尽くせりなものではない。わずかな手がかりから想像力を働かせ、何をすべきか考えなければならない。それだけに会話から得られるヒントをしっかり読み取ろう。
 特に注意するべきは、他のキャラの噂と「呪文」だ。あらかじめそのキャラのことを知っておけば、実際会ったときにどのように接すればよいか判断できるだろう。呪文は数々の奇跡をもたらす。これはという文字列が現れたら忘れずメモしよう。

自分の力を理解しよう

 主人公の子ギツネは不思議な力を持っている。その力を的確に発揮するためには、力を使うためのコマンドをよく理解することが必要だ。
 「ばける」は他の動物に変身できるが、数々の制約がある。不思議な呪文を唱えれば様々な効果が現れるが、使うタイミングがある。不思議な力をきちんと揮うことができれば、冒険の成就に大きく近づくだろう。

はっぱは使いどころを考えて

 最初から子ギツネが持っているアイテムに「はっぱ」がある。「ばける」ために必要だが、使える数が限られている。無駄遣いすると足りなくなり、冒険が行き詰まってしまう。使うときはここぞ、という状況を見極めよう。
 はっぱの効果は自分が化けるだけではない。他のものに対して使うことも…

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