ゲームワールド潜入まんがガンダーラ

攻略まんが「ガンダーラ」第1回扉絵

邪鬼の食料品店でズッコケるシットール

 「ポプコム」誌は「ガンダーラ」の紹介に力を入れていましたが、中でも漫画版の存在は外せません。同誌では87年7月号より同年12月号までの半年間にわたり、「ガンダーラ」の漫画を掲載していました。作者はゲーム原作者の一人槇村ただし氏。本業が漫画家ですから、「ガンダーラ」の漫画化にはまさにうってつけの人選です。

 内容はいわゆるコミカライズというよりも、攻略案内というべきものでした。毎月一世界ずつ、スタッフやポプコムの関係者を月替わりでガイド役に立て、それぞれがシッタールに扮してゲームの世界を冒険します。ガイド役となったのは槙村氏、日高氏、プロデューサーの高野豊氏、すぎやま氏、ポプコムの攻略記事担当ベラ子氏、同編集部の「編集部K」こと小林直樹氏。それぞれ「マキタール」「シットール」「ユッタール」「スギコール」「ベラタール」「Kタール」と、シッタールをもじったキャラになって、シッタールの冒険を追体験しつつ、ゲームの攻略ポイントやコツを紹介するというものでした。

変菌鬼と編集部Kを見間違えるユッタール

スギコールとマップを隠すエニックススタッフ

 攻略内容はゲームシステムの説明から敵との戦い方、各世界の廻り方、謎の解き方、楽に進める方法等々ゲーム全般にわたり、詳細かつツボを押さえたもの。あまりにネタバレやヒントを出すので、そのたびにプロデューサー高野氏がひやひやするという描写が盛んに現れます。作画はゲームと同じ人物で、雰囲気はゲームそのもの。説明も詳しいので、ゲームを持っていない人でも、読むだけで遊んだ気になれる内容でした。

 人気ソフトランキングや各種雑誌での扱いを見る限り、「ガンダーラ」はいまひとつメジャーになりきれていない印象があります。その中で「ポプコム」は同時進行レポートを掲載するなど、力を入れて紹介していたのですが、それが同誌での漫画化につながったのではと思われます。

お色気担当ベラタール

 この漫画を見て「ガンダーラ」に興味を持った層もいたでしょう。そのためか、ポプコムのゲームソフト人気ランキングでは、「ガンダーラ」は比較的上位に食い込んでいました。ソフトの売り上げ向上にもだいぶ貢献したのではないでしょうか。

Kタールを追い出そうとする一行

 当時のパソコン雑誌にて、ゲームのコミカライズや案内漫画はしばしば見かけるものでした。人気作の漫画化を専業の漫画家に依頼することもあれば、漫画家が自分が遊んだゲームをエッセイ風に紹介するものなどありますが、攻略漫画は「ポプコム」ならではのものだったように思われます。
 なお、この攻略まんがは単行本化されておらず、当時の「ポプコム」以外では読めません。

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