NEO戦士作戦本部〜「ゼータ2000」for MSX攻略情報

「ゼータ2000」タイトル画面 肉弾戦
車で疾走中 屈辱のゲームオーバー画面

第1指令 NEO ポイント1へ急げ!〜NEO伝説プロローグ

 超未来、西暦3109年…戦争と自然破壊を繰り返して来た人類は、今まさに絶滅の危機に直面していた。
 残された僅かな人々はその科学の粋を集め、最終電子頭脳コンピュータ”ゼータ9000”を開発し、訪れようとする絶滅に至る原因の徹底調査を行った。そしてその結果、人類の歴史の中に5つの決定的なデストラクション・ポイント(破滅要因)を発見したのだった。
 この要因を排除しない限り、人類に明日はない。

 人類の存亡は、サイキックパワーを秘めた一人の少年に託された。その名はNEO。5つのデストラクション・ポイントを排除せよ! 第1ポイントは、巨大なコンピュータに支配された科学万能の世界、”ZETA2000”。NEO伝説の始まりである。


「ゼータ2000」とは

 「ゼータ2000」は、1985年12月、ピクセルより発売されたMSX用リアルタイムRPGです。MSXテープ版のみのリリースで、マジカルズゥの「アウトロイド」、エニックスの「ファランクス」と並び、MSXテープ時代を代表するRPGとして、知る人ぞ知る伝説的タイトルとなっています。3D表示される迷宮を歩き回り、最終ボス目指して戦い抜くという、一見オーソドックスなCRPGですが、「NEO伝説」なるSFの世界観と、セミリアルタイムのゲームシステムを大きな特徴としており、それゆえに個性的な作品に仕上がっています。

 本作は「NEO伝説」なる構想の下に作られています。32世紀の未来、人類を絶滅の危機から救うべく、超能力戦士NEOが5つの破滅要因「デストラクション・ポイント」と戦うというのが概要で、本作はその1作目、「デストラクション・ポイントNo.1」こと、人類を危機に陥れたスーパーコンピューター「ゼータ2000」との戦いが描かれます。
 一番の売りは、なんといってもゲームシステムでしょう。「リアルタイムRPG」を掲げるとおり、3Dで描かれるフィールドは高速かつスムーズにスクロールし、敵に遭遇するとそのフィールド上でシームレスに戦闘を繰り広げます。コマンドはウィンドウ表示され、面倒な操作なしに実行できます。85年当時、無印のMSX1、しかも32KBオンメモリという環境で、これだけのゲームシステムを実現するのは、相当に技術がなければできないことでした。高度な技術力によって作られたゲームシステムは、無機的なグラフィックやSFの世界観とよくマッチし、ゲームの雰囲気を盛り上げています。
 SF物は当時から、CRPGでは目立つ存在でした。「ザ・スクリーマー」「地球戦士ライーザ」「コズミックソルジャー」等々、様々な作品がリリースされ、高い評価を得ています。それはCRPGの王道中の王道とも言える、剣と魔法のファンタジー物に対する対抗心というか、「他にはないものを作りたい」という、制作者の意志の表れだったのかもしれません。

 当時のゲームの例に漏れず、本作は非常に難しいです。RPGと銘打つわりに成長要素がありません。敵が理不尽に強くすぐダメージを喰らう一方、回復アイテムは有限で、考えなしにプレイすると、ゆくゆく詰まります。もちろんヒントというものは一切提示されません。「ゼータ2000」の世界に放り込まれたプレイヤーはその厳しさに、まずは途方に暮れるでしょう。
 ともすれば「技術偏重のクソゲー」のようですが、それだけのゲームではありません。厳しいながらもその中で試行錯誤をくりかえしつつ、より効果的な攻略方法を組み立てていけば、より先に進めるようになっており、未知のフィールドを手探りで少しずつ解き明かす楽しさ、失敗を繰り返しつつ効果的な解法を見つけていく面白さは、なかなかのものを備えています。「限られた条件の下で最適解を探す醍醐味」。これこそが本作のゲーム性で、単なる「クソゲー」に貶められない根拠となっています。伝説的作品となっているのは、難しいながらもそれなりに楽しめるからこそなのです。

 当時はMSXのみならずホビーパソコン黄金期を支える名ハードが出そろった時期でもあり、ソフトハウス各社が様々に趣向を凝らして新しいゲームを模索した時代でもありました。「ゼータ2000」は、そうした混沌とした時代に生まれた作品です。名作と呼ぶには一歩及びませんが、当時的な熱気溢れる力作であると言ってもよいでしょう。

 なお「NEO伝説」シリーズは全5作が作られる予定でした。後にシリーズ2作目となる「サンダーボルト」が発売されたのですが、どういうわけかその後続編が出ることはなく、残念ながら構想半ばで終わってしまいました。

文頭に戻る「ゼータ2000」の基本敵とアイテム攻略指南
攻略記全マップおまけ目次に戻るトップページに戻る