NEO伝説、デストラクション・ポイント(破滅要因)No-1、ポイントネーム”ゼータ2000” そこは、巨大なコンピュータシステムに支配されている地下都市内部であった。
西暦2210年、人々は地球防衛の目的で、地球の地下奥深くに防衛基地を建造し、その全てをコントロールするマスターコンピュータとして、初期型の電子頭脳コンピュータ”ゼータ2000”を開発していた。
ところが突然、地上で全面戦争が勃発し、戦争終了の5年後には、”ゼータ2000”の開発関係者も含めて、世界の過半数の人々は生命を失った。そして開発中だった“ゼータ2000”の存在は、人々から忘れ去られて行った…。10年後……地球の地下で確実に作動しているものがあった。
”ゼータ2000”である。彼は自ら知識を得、思考し、計画を立て、実行しようとしていたのだ。すでに“ゼータ2000”のコントロールにより、戦闘用ロボットの量産が行われていた。
そして……2230年から3109年に及ぶ、人間と戦闘用殺人ロボットとの長く無意味な戦いが始まることになるのである。
これは、明らかに人類の破滅要因の一つであった。
そしてサイキック戦士NEOは、最終型コンピュータ”ゼータ9000”の指示を受け、破滅要因である”ゼータ2000”を破壊するため、この都市内部に次元ワープしたのだった。サイキック戦士にだけ与えられたレーザーサーベルを持ち、進めNEO!
人類の明日のために…。
君は…NEOのサイキックウェーブとシンクロナイズ出来るか…。
これは、君とNEOの伝説なのだ…。
「ゼータ2000」説明書より
カーソル | NEOおよびカーソルの移動 |
スペース | 直接攻撃および決定 |
F1 | サイキックビーム発射 |
F2 | アイテム表示 |
F3 | アイテムメニュー |
F4 | セーブメニュー |
F5 | ロードメニュー |
プレイヤーはサイキック戦士NEOになりかわり、目的のため地下基地内を奔走することになる。操作はジョイスティック対応だが、ファンクションキーも頻繁に使うことになるので、キーボードの方が遊びやすいだろう。カーソルの上下で前進・後退、左と右で左右に動く。斜めに動けることも覚えておいて損はない。
アイテムの使用やセーブ/ロードの際はファンクションキーで各メニューを呼び出し、任意の項目を選んで実行する。セーブ/ロードはメモリーとカセットテープに対応している。本作ではマルチウィンドウ風のMMIを採用しているので、このあたりは直感的に操作できるだろう。
移動中に敵と遭遇すると戦闘になる。敵と1対1で戦うアクション式で、移動時と同じフィールド上で繰り広げられる。F1キーを押せば必殺技サイキックビームが撃てる。スペースキーを押しながら敵にぶつかれば肉弾戦で、レーザーサーベルで斬りつけることができる。戦闘中でもフィールド移動が可能なことも、よく覚えておこう。多くの敵は出現するなりNEOを追ってくるが、画面外までは追ってこない。
戦闘中画面外に出るか、後退して敵を振り切ると、逃げたということになる。戦いたくない場合はこうして避けられるが、分岐のないところでは逃げられないということでもある。なお、逃げるとそれまで与えたダメージはクリアされてしまうので、間違って外に出ないようにも気をつけよう。
NEOの属性値は体力を示す「パワー」とサイキックパワーを示す「エナジー」の二つのみ。パワーは敵の攻撃やトラップ等で減少し、0になるとゲームオーバーになる。エナジーはいわゆる「魔力」。サイキックビームを撃つと減り、なくなるとビームが撃てなくなる。パワーはWATER-PACKを使うほか、敵を倒しても若干回復できる。エナジーはBEAM-PACKを使う以外に回復させる手立てがない。どちらも残量には十分気を配っておこう。
「フューエル」とは燃料で、車を動かすのに必要となる。車に乗らずともクリアは可能だが、巧く使えば少々楽できる。燃料を増やすFUEL-PACKも、できれば集めておきたい。
1 | マップ画面 | NEOの手前側から見たフィールドが立体表示される。 スムーズな拡大スクロールが本作の売り。 |
2 | NEO | 主人公。移動すると視点ではなくまずこいつが動く。 移動自体は2D式なので混乱しやすい。 |
3 | 敵 | 遭遇すると表示される。 遭遇したら逃げるか戦うかしなければならない。 |
4 | パワー | 体力。なくなるとゲームオーバー。初期値24。 メーターは80まで表示される。 |
5 | 敵パワー | 敵の体力。戦っている敵の残り体力を示す。 |
6 | アイテム欄 | 手に入れた重要アイテムが表示される。 |
7 | レーダーマップ | 現在地周辺がレーダー表示される。 表示するにはMAPが必要となる。 |
8 | 現在地 | 現在いる階層が文字表示される。 |
9 | スコア | 得点。経験値のようなものだがあまり意味はない。 |
10 | フューエル | 燃料。車の残り燃料が表示される。 |
11 | エナジー | 精神力。ビームを撃つのに必要。 撃つと減る。初期値16。メーター上限48。 |
本作の目的はゼータ2000を止めることである。しかし本作も80年代中盤のRPGの例に漏れず、理不尽でハードルは異様に高い。親切なゲームに慣れてしまった身にすれば、茨の道が続くだろう。それでもあえて「ゼータ2000」に挑もうとする現代のNEO戦士たちに向け、助言をいくつか差し上げる。途中何度も挫けそうにになるかもしれないが、諦めず本気で取り組めば必ず勝機は見えてくる。「ゼータ2000」を打ち倒し、勝利の杯を挙げよう!
本作のマップは3Dで表示されるが、移動自体はその画面内でNEOを動かすという2D式である。後退はできるがその場での回転はできず、画面外に出ない限り視点も切り替わらない。立体迷路だからといって、「ウィザードリィ」や「DOOM」のような感覚で操作していると、混乱してすぐに方向を見失ってしまうだろう。
本作の移動操作はFPSよりもTPSに近い。この感覚に慣れないと、目的地にたどり着くことはもちろん、向かっている方角を掴むことさえ難しい。まずは3Dと2Dのハイブリッド式移動に慣れ、思い通りに動き回れるようになろう。地味だがそれが攻略の第一歩となる。
「RPG」を謳ってはいるが、「ゼータ2000」はキャラクターを成長させるゲームではない。数に限りのあるアイテムを有効に使い、最終目標の撃破を目指すゲームである。いわばそのゲーム性は「ザナドゥ」や「バイオハザード」に通じるものがある。何となく敵と戦って消耗したり、漫然とアイテムを使っていれば、やがて行き詰まってしまうのだ。どこの敵とどのように戦うか、どのアイテムをいつ手に入れどこでどれだけ使うか、どの段階で次の場面に進むか等を考えることが、非常に重要となる。綿密なものでなくともよい。おおよその見通しであっても、あるとないとで結果は大きく違ってくることだろう。
MAPこそゲーム序盤で手に入るが、どこに何があるかまでは表示してくれない。飽くまで現在地を知る以上のことはできないので、詳細なマップはやはり自分で作る必要がある。どこに何があるか、どのような敵が出るかがわかれば、攻略の大きな助けになるだろう。
当時のARPGの例に漏れず、本作もメモリーセーブができる。命綱として使うのは当然だが、それ以上に、肉弾戦の「武器」として重宝する。本作では戦闘中でもセーブが可能で、しかも敵のパワーまで記録してくれる。これを利用すればどんな強敵であれ、ノーダメージで撃破できるのだ! 卑怯と言われようが、理不尽すぎる「ゼータ2000」の世界で生き抜こうと思うなら、手段は選んでいられない。しかし調子に乗って使っていると、ハマる恐れがあるのも他のメモリーセーブ同様である。要所要所でカセットテープにセーブすることもお忘れなく。
とにかく強力なサイキックビーム。肉弾戦のような被ダメージのリスクも少なく、直接攻撃をはるかに上回るダメージが与えられる。しかし撃つためにはエナジーが必要で、そのエナジーを回復させるBEAM-PACKは有限と来ている。つまりサイキックビームを使える回数には限りがあるのだ。ビームは飽くまで強敵用と考え、なるべくBEAM-PACKを温存することを考えよう。肉弾戦があまりにキツいので、慣れないうちはビームに頼りがちになるが、序盤から濫発していると、後になるほど泣きを見る。