本作の題名は、仲間となる悪魔4人にナイキンを加えた5人の悪魔と、主人公ボルフェスの物語という意味である。ここでは本作に登場する人々と悪魔の面々を紹介しよう。
「ボルフェス」には「イース」のようなストーリーやシナリオはない。そのかわり各キャラクターがアクションで個性を主張し、ゲームを賑やかに彩っている。その楽しいキャラクターたちは、一度見たら決して忘れられないだろう。それと4人の悪魔それぞれに用意されたテーマ曲も本作の聴きどころ。むしろこのテーマが聴きたくて悪魔を呼び出すという方も多いはず。どれも要注目ご傾聴!
「よ〜し、みてろ、やってやろーじゃねぇか。」
主人公の見習い魔法使い。13歳。雑誌記事等では名前が「ボルフェス・ボルボニアン」だったりすることもある。地方郷士の末っ子だったが、10歳の頃、師匠アルケン・アルバトロスに魔法の才能を見いだされ弟子となる。雑用という名の三年間の下積み後、ろくに呪文も教えてもらってないのに突然師匠に魔神退治を言い渡され、最初は渋っていたものの、魔法使いの免許と引替えに引き受けることになった。
トレードマークはアルケンから譲られた白い帽子と法衣、魔法の杖。しかし杖は長すぎで法衣はぶかぶか、帽子は上に座ってしまったおかげで潰れっぱなしと様になっていない。しかし魔法の杖を初めとして、数々のアイテム(むしろ攻撃呪文みたいなものだろう)を見事に使いこなし、一癖も二癖もある悪魔たちを従えるのは、さすが大魔法使いの卵と言っておこう。
一見頼りない少年で、本当は呪文や魔力といったものはカビ臭くてイヤなのだが、「この職業は技術さえ身につけておけば将来が安定しているから」という理由で魔法使いを目指したガッチリしたところもある。ナイキンを退治すれば、晴れて師匠から魔法使いの免許を与えられる。もっとも、一人前の魔法使いになれるかどうかは、プレイヤーの腕次第!
「オレ、悪魔の戦士ディギン・ザ・ファイター。力もちでヨロイ集めが趣味さ。」
使える魔法:こうてつのからだ,たいあたり,ぶんれつこうげき
最初に仲間になってくれる悪魔の戦士。その力を恐れたナイキンによって壺に閉じこめられる。趣味は鎧集めで現在2000領を所有しているが、壺に閉じこめられたおかげで、自慢のコレクションの手入れができないことを心配している。
戦闘の専門家らしく、敵弾防御や体当たり等、パワフルで豪快な技が目立つ。彼のパワーを頼みに、敵を蹴散らし強行突破する局面は随所で現れる。攻守ともに使いやすいキャラなので、4人の悪魔の中では一番お世話になるだろう。
合体ロボットを彷彿させるカッコイイ登場シーンは本作の見所のひとつ。必見!
「イェーイ、ノってるかい? なんでもコイのたきのぼりだぜっ!」
使える魔法:よわむしおんぷ,ゆっくりおんぷ,ごんたおんぷ
二番目に仲間になってくれる悪魔の吟遊詩人。やはり目障りだからとナイキンによって壺に封じられる。悪魔のミュージシャンということで、音痴かデスメタラーかと疑ってしまうが音楽家としての腕は確かで、その演奏は聴く者の体を暖めたりお腹を満たすこともできるほど。愛用の楽器はリュートらしいが、イメージイラストではバンジョーを抱えている。
敵を弱体化する技を得意とするが、どれも癖が強くて扱いづらく、ザコ敵と戦うために呼び出すことはあまりない。しかしその力はデカキャラ戦でこそ真価を発揮する。強敵の前でも楽器をかき鳴らし、音符を飛ばしながら闊歩する様がとてもユーモラス。楽しい仲間となってくれるだろう。ムーミンに似ているとか言うのはこの際言いっこなし!
「拙者、東洋の神秘を身につけた、悪魔の忍者キリー・ランドでござる。」
使える魔法:プルンパへんげ,とおあてのじゅつ,はしわたしのじゅつ
三番目の仲間となる悪魔の盗賊。自称忍者だが、イラストを見る限り、忍装束を着ていないので忍者というかんじはしない。CRPGにおける盗賊があまり盗みを働かず、むしろ盗みのための技を役立ててくれるのは本作も同様。その能力なくしてナイキンの元にたどり着くことは決してできない。それゆえ壺もろとも地下の奥底に閉じこめられている。技にはカウントされていないがワープ通路を平気で通り抜けられるということも、ぜひ知っておくべきだろう。
彼が仲間に加われば、冒険の範囲が一気に広がる。他の悪魔と比べて派手さはないが、頼もしい存在だ。「プルンパ変化」はあまり使う機会がないと思うが、今回マップを作るにあたってはやたらと役立った。
「これでもその昔は、神のはしくれだったんだよ。」
使える魔法:かえんだん,すいへいじしん,すいちょくじしん
最後の仲間となる魔女。名前の由来はサンスクリット語とか歌姫なのだろうが、時期的にT&Eソフトの「ディーヴァ」が念頭にあったものと思われる。かつては神だったが、壺に閉じこめられたことを嘆いており、自らを封じた張本人ナイキンへの仕返しを狙っている。
さておき本作の紅一点。女性なので打たれ弱いが、その分攻撃は猛烈。その力は大地を揺るがしあらゆるものを破壊する。敵を一掃するのはもちろん、山を崩し隠された入口を見つけることも可能だ。終盤は彼女のターンと言ってもよい。
「な、なんてしつこい奴。いいかげんにやめてくれ。」
「5人の悪魔」の由縁にして本作の敵役。北の大魔神と恐れられる最強の悪魔。一月前に世界征服を企み、その手始めに邪魔になる悪魔4人を壺に封じこめた。ところがそこで計画がアルケンに知られてしまい、魔力を削られたばかりか、現在居城ナイキス城に閉じこめられている。ボルフェスはこれを退治に行くわけである。
しかし軟禁中の身とはいえ大勢の手下を差し向け、ボルフェスを妨害してくる。本人も魔力こそ削られどもその戦闘力はなお高く、見習い魔法使いにとって強敵であることに違いはない。
必殺技は「ナイキス4段変化」。そのしぶとさはCRPG界随一で、真の姿を見るまで何度も戦う羽目になるだろう。魔神だけに非常に手強いが、意外と小心者なところもある。憎めない名敵役。
「わしの代わりに怪物退治に行ってくれ。」
ボルフェスの師匠である魔法使い。多くの場合「師匠」とのみ呼ばれるが、取説にはちゃんと名前が載っている。魔法使いの免状を与えることを条件に、弟子ボルフェスにナイキン退治を言いつけた。一見とぼけた爺さんだが、ナイキンが世界征服を企んでいると知るやさっそく行動を起こし牽制したほどだから、その実力は相当なものがあると思われる。ナイキン曰く「口うるさいアルケン爺さん」。
「ポプコム」の紹介記事によれば、ボルフェスに魔法や呪文を教えなかったのは、自分の技をボルフェスに自発的に盗ませるためだったということにされている。そう考えると今回の冒険は、愛弟子の「腕試し」でもあったのだろう。