彼こそが「3」の主人公である。修道僧らの命を受け、フェアリーランドの異変の原因を突き止めるべく旅立った。プレイヤーは彼になりかわり、冒険を進めることになる。
「II」を受け継ぎ「3」でも、冒険に先立ちキャラクターメイキングという工程が待っている。前作では名前を入力し、ボーナスポイントを振り分けるものだったが、本作では職業を選ぶものに変わった。職業は全部で4つ。それぞれ特徴があり、選択によって戦い方も変わってくる。なお、他のRPGではよく見かける職業による装備制限はない。どの職業でも強くなれば全てのアイテムを装備できるようにはなっている。
セットアップメニューから「キャラを創る(Make Character)」を選べばキャラクターを作れる。16字(仮名は8字)以内で名前を付けたら、得手不得手を考えつつ好きなものを選ぼう。
職業を決めたら各職業の基本値に乱数で若干のボーナスポイントが加算され(脚注)、キャラクターが誕生する。なるべく各数値が高くなるまで何度も粘るのがキャラ作りのコツだ。各職業のあらましは以下のとおりである。
体力 | 8 |
腕力 | 10 |
魔力 | 5 |
精神力 | 50 |
魅力 | 11 |
攻撃値 | 15 |
防御値 | 11 |
機敏さ | 12 |
器用さ | 10 |
教養 | 8 |
幸運 | 9 |
戦士(Fighter)→強者(Warrior/Lv5)→英雄(Hero/Lv15)
戦闘一般を得意とするクラスである。戦闘に関する能力に秀で、特に攻撃値と防御値は全クラス中最も高い。魔法がそこそこ使えるのも心強い。
癖がなく概して扱いやすい。はじめて「ハイドライド3」をするというのなら、このクラスを選んでおけば間違いないだろう。ただし戦士というわりに体力は低めである。レベルアップの際は体力に気をつけよう。
体力 | 18 |
腕力 | 14 |
魔力 | 0 |
精神力 | 0 |
魅力 | 2 |
攻撃値 | 11 |
防御値 | 7 |
機敏さ | 7 |
器用さ | 20 |
教養 | 3 |
幸運 | 15 |
強盗(Robber)→盗賊(Thief/Lv5)→英雄(Hero/Lv15)
盗賊は屈強なクラスだ。体力と腕力は全クラス中最高を誇る。その分重い武器が使え、多くの道具を持ち歩ける。ゆえに序盤は楽に進められるだろう。器用さや幸運も抜群。罠の解除もお手の物だ。
そのかわり精神力と魅力はからっきしである。防御力も意外と低い。それ以上にネックとなるのは、魔力の低さだ。成長しても回復呪文に頼ることができないため、常時回復剤を持ち歩く必要があるのが厄介だ。育てれば非常に強くなれるが制限も多い。他の職業とはひと味違う冒険が楽しめるだろう。
体力 | 13 |
腕力 | 7 |
魔力 | 20 |
精神力 | 80 |
魅力 | 13 |
攻撃値 | 6 |
防御値 | 6 |
機敏さ | 10 |
器用さ | 3 |
教養 | 18 |
幸運 | 15 |
僧侶(Cleric)→僧正(Bishop/Lv5)→英雄(Hero/Lv15)
盗賊とは逆に魔力と精神力が高く、のっけから高尚さが際立つのが僧侶だ。頭がいいので魔法が得意で、戦士や盗賊よりも少ない経験値で呪文が覚えられる。そのかわり体力・腕力・攻撃値といった、直接戦闘に関わる能力が低い。持てる重量も少なくて、アイテムのやりくりが大変だろう。ぶきっちょなので罠外しも期待できない。弱点を魔法でカバーするような戦い方が必要となるだろう。
なお、救済策としてレベル5になるまでは他の職業より経験値が1.5倍多く入るようになっている。荒井が一通りプレイした中では、実はもっとも探索に向いたクラスだとおもう。
体力 | 4 |
腕力 | 13 |
魔力 | 13 |
精神力 | 50 |
魅力 | 19 |
攻撃値 | 12 |
防御値 | 11 |
機敏さ | 12 |
器用さ | 11 |
教養 | 11 |
幸運 | 20 |
修道士(Monk)→僧正(Bishop/Lv5)→英雄(Hero/Lv15)
各職業のいいとこ取りをした職業。戦闘も得意だし、魔法も使える。腕力も案外高く運にも恵まれている。数値だけならハイスペックを誇るのだが...その引き替えに体力が異常に低い。気をつけないとレベル5になっても体力が2桁に乗らないという事態が本当に起こりかねない。体力に十分気を遣いながら育てたい。基本的には慣れたプレイヤー向けのクラスである。
実はこれら四つのほか、隠し職業としてもうひとつ「怪物」なるクラスが存在する。作り方は乱数任せ。職業を決めると150分の1の確率で「怪物」になるというもので、簡単には作れない。
怪物は元の職業の能力をベースにしながら、体力がとびぬけて高いという特徴がある。それゆえ怪物でプレイすると冒険がかなり楽になる。なので出現率の低さを考慮してもぜひ狙ってみたくなるが、怪物での冒険は、結果的に苦戦することになるかもしれない。なぜなら最後の最後で...
MSXの場合、ひとつのセーブデータに付きキャラクターは4体まで作れる。それ以上を作るなら「キャラを消す(Delete)」で既存のキャラを抹消する必要がある。消したキャラは復活できないので、消す際はくれぐれも注意しよう(荒井としては新しくセーブデータを用意することをオススメしたい)。作ったキャラがどれがどれだかわからなくなったら「キャラを見る(Look Character)」で登録中のキャラのあらましが確認できる。
納得のいくキャラができたら、「ゲームスタート(Game Start)」で冒険に出るキャラクターを選べばゲーム開始である。再開するときも同様だ。
厳密には以下の計算式によって初期値が決まる。
体力:(基本値+RND(3))x2
それ以外:基本値+RND(3)
RND(n)の意味については次項参照のこと。