冒険のスタート地点となるのが、ここ森の街だ。街には「武器屋BOMBER」「何でも屋BONBON」「修道僧の寺院」3つの店が軒を連ねている。冒険の準備はもちろん、装備の拡充、修行等をする際も、もっぱらここに来ることになる。冒険の拠点となる場所なので、場所をしっかり覚えておこう。
地上にはまだ怪物の姿も少なく、住人たちが平和を謳歌している。しかし中には不穏な気配に気付き始めた者もいるようだ。話しかけてもはじめは当たり障りのないことを言うのみだが、善行を積み重ねていけば、そのうち協力者が現れるかもしれない。
森の街で装備を調えたら、次に訪れるのは北にある墓場だろう。ここは歩くだけで生命力を奪われる汚れた土地で、土の中からはグールが絶えず這い出してくる。危険なことに違いはないが、一方で格好の稼ぎ場でもある。まずはグール退治でひたすら経験値を稼ぎ、レベルを上げていこう。またこの墓場は、水路越しに砂漠と隣接している。どうやら何か関係があるようだ。
レベル6程度になると、だいぶ自由に地上を歩き回れるようになる。森の街の南、砂漠の北の平地には、5階建ての塔が立ち、怪物たちのすみかとなっている。最上階にはこの塔の主とも言えるオークが棲み、貴重な宝物を守っている。一度は訪れることになるが、中は真っ暗で、入口には鍵まで掛かっている。登るためにはそれなりの準備が必要だ。
「砂漠が美しいのは、謎を隠しているから」と、昔の人はよく言った。塔の南には広大な砂漠が広がる。ここに棲むウォームは砂漠の守り神と崇められる怪物で、自ら攻撃はしてこない。そのかわり灼熱の砂が、迷いこんだ者の生命力を容赦なく奪う。この砂漠の果てに街があるというが、あるのは茫漠たる砂ばかり。どうすれば行けるのだろう?
そして砂の下にはもうひとつ、重大な秘密が埋まっている。
砂漠の果て、蜃気楼のごとく現れる不思議な街は、さしづめオアシスのような場所である。街の一角にある泉の水は、地下深くから流れてきているらしい。通りには「魔法使いの館」と「T&Eクリニック」が店開きし、訪ねる者を待っている。特に魔法使いの館には、教えを請うため何度も足を運ぶことになるだろう。
フェアリーランドの住人の間では、ある迷宮の噂が広まっている。曰く、岩の下には地下への入口があると。地下は「邪悪な意識」の領域、この入口から地下に行けば、「邪悪な意識」に近づくための手がかりが、何か得られるかもしれない。
フェアリーランド中を巡る水路の中に人知れず、ぽつんと小さな島がある。人々の話題にも上らず、その詳細はうかがい知る由もないが、ここにも地下への入口があり、起こりつつある事態に関係する品、「カラークリスタル」の一つが隠されていたりする。ただしそれだけにどういう場所であるかは、容易に想像が付くことだろう。
しかしそれ以前に、まずは浮島までたどり着かなければならない。水路を渡るには? 幾重もの罠を見破り謎を解き、見事カラークリスタルを持ち帰ることができれば、地下帝国への旅立ちは近い。
地上の謎をあらかた解けば、いよいよ「邪悪な意識」の領分、後半戦の舞台となる地下帝国への道が開ける。地下1階は巨大な地底湖で、巨大イカ・クラーケンに度肝を抜かされることだろう。だがこの程度はまだ序の口。地下帝国は今まで以上に過酷な戦いが続く。まずはここでいっそう自らを鍛え、この先の戦いに備えよう。
それとこの階のどこかでは、小さな奇跡が君の訪れを待っている。
地下帝国での冒険は、主にカラークリスタルを探すことが目的となる。この階にもカラークリスタルが隠されているが、そのありかに行くためには、まめな探索と、少々の発想の転換が必要となる。
ここまで来れば罠はよりいやらしく、怪物の攻撃もいよいよ激しさを増してくる。白兵戦のみならず、怪物が唱える呪文にも悩まされることになるだろう。だが地獄に仏、この階のどこかには、敵の魔法を封じる品と奇跡を呼ぶクリスタルがある。この手にできれば、冒険の強い味方となってくれよう。
地下帝国でもB4Fはもっとも複雑で、謎と罠に満ちている。FORTHや魔力を奪う石、あちこちに仕掛けられたワープ、隠し通路、燃える岩、そして二重の迷宮。まさに「ハイドライドII」の真骨頂、不条理な謎がてんこ盛りの迷宮に、あまたの主人公たちが涙を呑んだ。謎の向こうには赤と青のクリスタルが待つ。あらゆる手段で謎を解け!
そして数々の謎を解いた者だけが、地下5階に足を踏み入れることができる。地下帝国の最深部にふさわしく、前作最後の敵バラリスが大挙出現するが、これが地下帝国の首領というわけでもなさそうだ。カラークリスタルの力とは? 「邪悪な意識」エビルクリスタルとは? その野望を打ち砕くには? 全ての謎を解いたとき、冒険は終わりを迎える。救世主諸君にDAIVAの加護のあらんことを。
エビルクリスタルを討ち果たすまでの道程は長く険しい。「ハイドライドII」は、前作以上に手強い謎だらけで、その難しさは当時から多くのプレイヤーを悩ませてきた。そんな冒険がほんの少しだけ楽になるような、助言をいくつか差し上げよう。
いくら神様に見込まれたとはいえ、主人公はただの少年だ。怪物の攻撃は言うまでもなく、最初は地上をうろついているだけでも、のたれ死ぬほど弱々しい。とにかくレベルを上げ、自分を鍛えなければ、この厳しい世界では何もできないしどこにも行けない。怪物退治を繰り返し、地道に着実に自分を鍛えていくことが、クリアへの第一歩となるだろう。
陰険理不尽不条理な謎が売りの本作において、SEARCHの呪文は非常に頼りになる存在だ。その性能はCRPG史上最強クラスで、謎がある場所そのものをさらけだす。習得レベルは4と早いが、唱えるにはMAGICが35以上必要となる。早めに魔法使いの館でMAGICを上げ、序盤からガンガン使っていこう。使えると使えないとでは雲泥の差がある。
しかし本当に重要な謎は、この呪文でも探知しきれないことがある。その時は頭をひねり、あらゆる手段を試すしかない。
前作同様、本作でもどこでもゲームのセーブとロードが可能である。さらにMSX版はデータバックアップにS-RAMを採用しているから、メモリーセーブ&ロード感覚で快適に利用できる。トライアル&エラーに利用したり、難所での命綱にするのはもちろん、SEARCHを唱えたらすかさずロードし、罠の位置だけ頂戴するという狡い使い方もできる。
ただし例によって、瀕死で逃げ場のない状態や、解毒手段のない状態で毒状態に陥ったときにセーブすると、手詰まりになることがある。くれぐれも「はまち!!」にならないよう、状況を見ながら上手に使おう。
2画面テク実践中。戦って倒すよりもずっと手軽に怪物を退けられる便利技
「ハイドライドII」では、怪物の配置は2画面分しか記憶していない。今いる画面から隣の隣の画面に移動して、再びもといた画面に戻ってくると、怪物の配置が変わっている。つまりこれを利用すれば、戦うことなく邪魔な怪物を消すことができる。さらに任意の配置になるまでこの技を繰り返せば、敵を好きな位置に出現させ、有利な状態で戦うことさえ可能なのだ! 地味だが非常に有効なテクニックだから、ぜひ活用しよう。
仕掛けを動かすスイッチは、何の前触れもなく、なんでもないところに仕込まれている。「ハイドライド」シリーズというか、当時のARPG基本中の基本だ。とりあえず、気になる物体や袋小路等、怪しげなモノには片っ端から体当たりしてみよう。スイッチでなくとも、罠や宝物、通り抜けできる壁こと隠し通路があるかもしれない。SEARCHやセーブを併用するとさらに効果的だ。
「ハイドライドII」では、正面から相手にぶつからない限り話ができない。このあたりが会話を盛り込んだ最初のARPGらしいところだが、面倒なことに違いはない。こういう場合、狭いところに相手を追い込んでしまえば、多少効率よく会話ができる。取説にも載っている、意外に使える技だ。ちなみに狭いところに押し込んでみても、「せまいです……」とか言われたり、スリーサイズがわかったりということはない。
腕力修行のボクシングゲームは「II」の特徴の一つ。3000Gを支払えば、負けるまで無料で連戦できるので、連勝を狙いたくなるだろう。しかし連勝するごとに相手は強くなり、負けると稼いだ腕力が4分の1に減らされてしまう。3連勝までは可能だが、4戦目はほぼ確実に負ける。欲張るのはほどほどにしよう。
浮島のダンジョンに棲むAZERは、重要な宝物を守っている。宝物を手に入れるとそれきり出現しなくなるのだが、ここで宝箱を開けず、2画面テクを使ってみよう。なんと何度でもAZERが復活するのだ! AZERはその弱さに比して、地上の怪物でもトップクラスのGOLDと経験値を持っている。こんなおいしいヤツを、経験値稼ぎに利用しない手はない。取り巻きのリッチやファイヤーエレメントに気をつけつつ、がっちり稼いでやろう。
まさかの出入り禁止! 自業自得とはいえけっこうショックです。
「II」で新しく導入された第四の属性値「FORTH」。当時のCRPGの流行らしい「善悪」のパラメーターで、その多寡は主人公の心の状態を示す。ただ戦っている分にはあんまり影響はないけれど、これが低いと碌な情報は得られないし、ショップから出入り禁止を喰らうこともある。高いに越したことはないので、メーターは緑を保つようにしよう。さもないと最後の最後で...
通常プレイヤーキャラを作る際、なるべくどのパラメーターも、初期値が高くなるように設定するだろう。しかしこれが曲者。ステータスの上昇率は初期値に比例するが、STR・MAGICは100を越えると修行が受けられなくなる。つまり本作では初期値によって最終的な強さが決まってしまうので、高ければいいとは限らないのだ。STRとMAGIC最良の数値は99の約数。その中でなるべく高い数値を選ぶと、無駄なくステータスが上げられる。ちなみにSTRの上限は126、同じくMAGICは117で、これを越えることはできない。
荒井のオススメはSTR11・MAGIC9か、STR9・MAGIC11にして、残りは全てLIFEに振る。STR・MAGICを両方9にしてもいいだろう。キャラを作った時点でランダムにボーナスポイントが加算されるので、STRとMAGICにはやや少なめに振っておくのがコツだ。ぴったりのキャラクターを作るのはなかなか骨が折れるが、納得いく分身ができるまで、何度でも試そう。
噂によれば、内藤さんは発売日直前まで制作を続けていたおかげで十分なデバグができず、重大なテキストデータを入れ忘れてしまい、そのおかげで本作はいっそう難しくなってしまったのだという。そこで代わりに、荒井がそのヒントをお伝えしておこう。
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