みずからの出生を知るため、
閻魔大王に会いに行く妙なやつ、
『幽霊君』の変な旅が今始まる。
(プロローグより)
カーソル/スティック | 移動および選択。斜め移動可。 |
SHIFT/Aボタン | バックアタック・決定。 |
スペース/Zキー/Bボタン | おちょコ玉発射・決定。 |
F1キー | ポーズ。もう一度押すと再開。 |
主人公は幽霊である。ある日気付いたら記憶を失っていたばかりか、幽霊になっていたのだという。だから幽霊君というわけで、謎の多いヤツだが、自分が何者であるか確かめるべく、地獄の閻魔大王に会いに行く、というのが本作の筋書きである。チャームポイントは三角の幽霊頭巾(「天冠」と呼ぶようです)と出っ歯。まん丸っちいボディはかのHAL研の「ピンクの悪魔」を先取りしていたと言えなくもない(テレサ言うな)。
従えているのはおちょコ玉。仲間が地獄に捕まってしまったから助けてほしいと、幽霊君の旅に同行している。どうやら地獄はたいへんな混乱に陥っているようで、幽霊君が幽霊になってしまった事情も、そのあたりと関係があるらしい。
ともかくプレイヤーは幽霊君をあやつって、ゲームを進めていく。使うキーは少なめで、操作は非常にシンプルだ。操作はもちろんジョイスティックにも対応しているので、お好みでどうぞ。
単純明快ながら、制作者さんが非常にこだわっただけあって、本作のアクションには独特なものがある。まずはこの独特なアクションに慣れることが、攻略の第一歩だ。操作のあらましはインストラクションデモでも見られるが、ここではもうすこし突っ込んだ説明をしておこう。
幽霊君は幽霊なので絶えず浮遊している。重力の影響を受けずに動き回れる一方、静止していてもふわふわと上下動しているので、1キャラ分しかない細いすきまに入るときなど引っかかりやすい。幽霊君がこんな挙動をするのは、おもしろい動きをするもの、自由に空を飛べるものをゲームに出したいと製作者さんが考えた結果、だったら幽霊だと思いついたかららしい。
さておき幽霊君はふた通りの攻撃ができる。ひとつは「バックアタック」。もうひとつは「おちょコ玉」である。
「バックアタック」とはおしりパンチ...もとい後方体当たり、うしろ方向にダッシュして、背中でタックルするという攻撃だ。攻撃するには敵に背中を見せる必要がある―いちど反対側に方向キーを入れなければならない―というのがユニークで、類を見ないものとなっている。
リーチは4キャラ分。使用回数に制限があって、1回発動するたびに画面上部のバックアタックゲージが1減る。ゲージはMAXで31。空になると使えなくなるが、使った分は漸次自然回復する。バックアタック中は直接攻撃に対して基本無敵を誇る一方、敵が撃ってくる弾に対してはダメージを受けてしまう。
ザコ敵はバックアタックを受けると横一直線に吹っ飛ばされる。これに敵を巻き込んで、さらに敵をやっつけることもできる。
一部の壁はバックアタックで破壊可能である。壁を壊して道を作ったり、隠されたアイテムを見つけたりするのは、クリアに必須のテクニックだ。赤毛の奴の相棒の元盗賊も真っ青だぜ(おい)。なお、壁を壊すにはバックアタックを2発当てる必要がある。
「おちょコ玉」は常に幽霊君の周囲を浮遊している魂で、敵めがけて発射できる。いわゆる「飛び道具」攻撃なのだが、放つとヨーヨーのように行って戻ってくる点が、ただの遠距離攻撃とは異なっている。一見「オプション」のようでもあるが、特性的にはむしろ「R-TYPE」のフォースに近い。
1発の威力はバックアタックの4分の1。壁を壊すことはできず、地形に当たると遮られる。射程は約6キャラ分である。一度放つと手元に戻ってくるまで次が撃てないが、そのかわり使用回数に制限はなく、放たれている間は攻撃判定がある。1発でもザコに当てると硬直させられることも覚えておいて損はない。イニシャルスタート時は1柱のみだが進行に応じて3柱まで増え、最大3連射できるようになる。
それと取説には表記されていないが、F1キーでポーズがかけられる。一度押せば一時停止し、もう一度押せば解除される。ポーズ中もBGMは流れっぱなしなので、マサ斎藤さん入魂のPSGサウンドを堪能したいときにも便利だ。
一見コミカルで風変わりなゲームシステムを特徴とする作品だが、作りは至って良質で、しっかりとしたアクションが楽しめる。キャラクターの細かな演技も見どころだ。制作者さんこだわりのアクションを使いこなし、オールクリアを目指そう!
1 | スコア | 得点が表示される。HIが最高得点でSCが現在の得点。 |
2 | ステージタイトル | 現在プレイ中の面の名前。各面異なる名前が付いている。 そういや「メルヘンヴェール」もこんな仕様だったっけ。 |
3 | お金 | 現在の所持金額。各種アイテムを取るのに必要。単位は円。 |
4 | バックアタックゲージ | バックアタックが使える回数。時間と共に回復する。 |
5 | ライフゲージ | 幽霊君の残り体力。0になるとワンミス。 デカキャラ戦時には右側にボスのライフが表示される。 |
6 | 幽霊君残り数 | いわゆる残機数。つまりミスできる回数。ミスすると減る。 0のときにミスするとゲームオーバー。 バックアタック幽霊君を持っていると横にアイコン表示される。 |
7 | メイン画面 | 幽霊君の地獄旅が繰り広げられる。サイドビュー。 |
8 | 幽霊君 | 本作の主人公。こいつを操ってゲームを進める。 |
9 | おちょコ玉 | 幽霊君に同行している魂。こんな具合に飛ばして攻撃できる。 |
10 | 妖怪ども | 幽霊君の行く手を阻む連中。いろんな奴が存在する。 |
11 | 「気」 | 敵が撃ってくる弾。たいがい赤色。当たると痛い。 |
画面はぱっと見で理解できるほど明快ながら、ゲーム進行に必要な情報は余すことなく集約されている。
プレイ中頻繁に目にすることになるのは、バックアタックゲージだろう。自然回復するとはいえ、バックアタックには回数制限がある。調子よくバックアタックを使っていたら肝心なときにガス欠して、一転してピンチに...ということはよくある。残量には絶えず気を配ろう。
所持金にも気をつけたい。アイテムは全て有料だ。欲しいときに金欠でアイテムが拾えないということがないように、お金はきちんと貯めておこう。
アクションゲームに欠かせないスコアは、意外と気にする機会がない。いわゆる「永久パターン対策」というものを取っていないので、ハイスコアを競うことにあまり意味がないのだ。しかしスコアはエクステンドの要件になっている。必要に応じて稼いでおくのもよいだろう。
5円 | - | 敵を倒すと現れるコイン。拾うと所持金が5円増える。 | |
10円 | - | 同じく10円増える。 | |
50円 | - | 同じく+50円。ちなみにコインの色形は日本円と同じ。 | |
100円 | - | +100円。コインよりこちらを集める方がお金稼ぎは効率がよい。 | |
ハート | 200 | ライフ全回復。 | |
ストップウォッチ | 200 | 一定時間敵の動きを止められる。 | |
バックアタック幽霊君 | 300 | バックアタックゲージが空になったときに全快する。2個までストック可。 | |
バリア | 500 | 一定量敵の攻撃に耐えられる。攻撃を受けすぎると壊れる。 | |
隠し面 | - | ボーナス面に行ける |
ゲームにつきもの、パワーアップアイテムももれなく登場する。種類は少なめながら、活用すれば攻略が楽になるものがそろっている。
アイテム類はバックアタックで壁を壊すと現れる。どこにどのアイテムがあるかは決まっているので、ありかを覚えれば攻略が楽になるだろう。
ユニークなのは、アイテムを取るためには、アイテムに応じた額の「お金」が必要となるところだ。お金は敵を倒すと現れるコインを拾えば得られるが、あまり効率はよろしくない。やはりアイテム同様、随所に隠された「100円」を集めるのがよいだろう。しかし100円は潤沢にあるわけでもないので、無駄遣いは禁物だ。
ライフを全快させるハートは頼もしい限りだし、ストップウォッチを取りながら進めば、道中が俄然楽になる。高次面になるとバックアタック幽霊君はぜひ常備しておきたいし、バリアがあれば余裕をもって強敵に挑める。どのアイテムも魅力的だが、出現する片端から全て取っていてはお金が続かない。地獄の沙汰も銭次第。腕前と状況に応じてどこでどのアイテムを取るか、そのためのお金をどう工面するか、どのアイテムを優先するかといった見通しを持つことも、必要になってくるだろう。