「ぐうぅ、この私が貴様ごときに倒されるとはな。
だが、私を倒して安心するのはまだ早い。
最後にいいことを教えてやろう。
私がこのフェアリーランドを創ったのだ。
バラリスもエビルクリスタルも、
全て私が創ったものなのだ。
だが、たったひとつだけ私は過ちを犯した。
それがおまえの存在だ。
まさかここまで成長するとはな。
私は間もなく死ぬだろう。
私が死ぬと同時にこの基地も崩壊する。
そしてフェアリーランドは存在すらなくなるのだ。
私だけでは死なぬ。
クックック・・・ぐふあ!!」
闇の支配者ガイザックの死とともに基地が崩れはじめた。
そして・・・
「ここはどこだ。僕は生きているのか?」
「ここは無の世界。 残ったのは私とあなたの二人だけ・・・」
あなたの問いに
妖精が答えた。
何も無い空間に二人の姿だけが浮かんでいた。
「僕の今までの戦いは無意味になってしまったな。」
「いいえ、あなたは十分すぎるほど
私たちのために尽くしてくれたわ。」
「しかし、フェアリーランドはすでに無くなってしまった。」
「では、なぜ私たちはこの空間で生きているの?
不思議が当然だったフェアリーランドは、
まだ存在するのよ。」
「どこに?」
「あなたの中に、よ。
さあ、目を閉じて。思い出せるでしょ?
美しかったフェアリーランドを。」
あなたは目を閉じて、
かつての美しかったフェアリーランドを思い出していた。
緑の草原、澄みきった空気、
まぶしいばかりの太陽、
そしてかわいらしい妖精たちの姿。
しばらく思い出に浸っていた後、
暖かい光を肌に感じて目を開けた。
「・・・・・・」
あなたは しばらく声が出なかった。
さきほどまで思い出に浸っていた
美しい光景が目の前に広がっていたのです。
緑の草原では妖精たちがうれしそうに戯れていた。
「こっ、これは夢か?」
あなたの声に 妖精たちが集まってきた。
「いいえ、夢なんかじゃないわ。
私たちは、私たちのフェアリーランドを取り戻したのよ。
今までのフェアリーランドは
ガイザックが創ったものだったわ。
そう、私たち妖精も
ガイザックの創ったものだったのよ。」
「でも、今は違うわ。
だって、この美しいフェアリーランドを創ってくれたのは、
あなたなのですから。」
「あなたの純粋な思いと私たちの願いが
このフェアリーランドを創ったのよ。」
あなたに
妖精たちが次々と話しかけた。
「しかし、まだ信じられないよ。」
このことばを聞いた妖精の一人が
そっと耳元でささやいた。
「言ったでしょ?
不思議が当然フェアリーランドってね。」