同時進行レビュー「ザナドゥMSX」

ザナドゥMSXタイトル画面 ザナドゥMSXフィールド画面 ゲームオーバー?

はじめに

 この世界は、パーソナルコンピューターであるからこそ、初めて造り上げることの出来る想像の世界です。

 映画や、小説とは違い、プレイヤーは、単なる傍観者としての立場を超越し、自ら、まさに主人公となり、冒険者自身となれるのが、この世界なのです。
 言わゆるR・P・G(ロールプレイングゲーム)を、すでにご存知な方も多いことでしょう。自分自身で一つのストーリーをプレイしながら作ってしまうとも言える、このゲームが、単なる反射神経ゲームや、一つのストーリーの上を歩いてゆくようなアドベンチャーゲームよりも、もっと面白そうではありませんか? このゲームも、そのR・P・Gなのです。

 この世界におけるあなたの冒険は、最終的には、闇の世界に君臨する巨大な、数千度にも達する炎を吐く赤いドラゴンを倒す事です。目的は簡単明快ですが、これは非常に困難な冒険です。なぜなら、このドラゴンを倒すには、神々が遠い昔、ある王に与えた幻の剣”Dragon Slayer”でなければならないからです。しかし、それは、どこかに隠されてしまいました。唯一の手がかりは、精霊の王達の王冠にあるとの噂です。まず冒険はそれを探す事から始められなければならないでしょう。

 さあ、すぐに旅立とうではありませんか!


「ザナドゥMSX」とは

 80年代のオールドPCユーザーならば「ザナドゥ」の名を知らない人はいないでしょう。「ザナドゥ」は1985年11月に日本ファルコムから発売されたCRPGです。メインプログラマーは木屋善夫さん。木屋さんによるヒット作「ドラゴンスレイヤー」の続編という位置づけで、「ドラゴンスレイヤー][」と呼ばれることもあります。
 かつてないボリュームと奥の深いゲーム内容は当時の国内PCゲーマーを夢中にさせ、瞬く間に大ヒット。日本PCゲーム界最大級のヒット作となったのでありました。40万本売れたとか、PC雑誌の人気ゲームランキング1位を長期にわたって独占したとか、各賞を総なめにしたとか、メディアミックスの先駆けになったとか、その凄さは枚挙にいとまがありません。本作はその後の日本ファルコムの礎となり、日本ゲーム界の金字塔と見なされています。思えば「ザナドゥ」とは和製CRPG初の「超大作」だったのかもしれません。

 「ザナドゥMSX」こと今回紹介するMSX版は、その「ザナドゥ」のMSX移植版です。オリジナルの発売以来、容量制限とハードの制約ゆえ、MSXに「ザナドゥ」を移植するのは不可能と考えられていましたが、「ハイドライドII」同様、大容量ROMカートリッジの普及によって実現しています。発売はオリジナルに遅れること2年の1987年11月。オールドハードでは最後発にあたります。それだけに他機種版にはない様々な変更が加えられています。
 変更はグラフィックやレイアウトといった外観のみならず、SRAMバックアップの採用、BGMの追加、インターフェース廻りの改良、操作性の向上等々、ハードウェアからゲームシステムに至るまで全面多岐にわたります。それでいながら膨大な数の怪物と広大なマップは一切削られることもなく、「ザナドゥ」の醍醐味が快適かつ存分に楽しめる移植となっています。特にMSXの性能を活かしきったグラフィックとBGMには定評があり、先行のMSX2版より高く評価されることがしばしばです。
 MSXと他機種ではスペックに大きな違いがあり、多くのゲームはそのまま移植されるということはまずありませんでした。それはこの「ザナドゥMSX」も同様ですが、その内容を鑑みる限り、実質的な改良版と言っても良いでしょう。

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